2019年2月24日日曜日
読了メモ「虹の岬の喫茶店」 森沢明夫
読了。
映画になっていたらしい。
主人公の悦子さん役は、吉永小百合さんだ。
自分はこの映画をまだ観たことがない。
悦子さんは、おばあさんというには年をとりすぎだし
おばさんというには若すぎる
そんなイメージを持った。
岬の喫茶店には、いろいろな人が訪れる。
といっても全くお客さんが来ない日が多いだろう。
でも、しっかりとお客さんを店内まで案内してくれる犬がいる。
妻を早くして無くした夫と、まだ小さい娘。
ガス欠して、バイクを押してやってきたライダー
仕事がなくなり、泥棒に入ってきた包丁研ぎ職人
昔の仲間と再びバンドをやろうと喫茶店の隣に
ライブハウスを建てる甥っ子。
密かに悦子さんに想いを寄せているが転勤で離れていく人。
そして、岬を直撃する台風。
店内には、レコードとCDがぎっしりあって、
それぞれのお話にあうような曲が流れてくる。
選曲はもちろん悦子さんだ。
その悦子さんの入れる珈琲がとても美味しいらしい。
飲めないのが残念でならない。
店内には一つの絵がある。
虹の絵。
悦子さんはいつもこの絵を見ながら
お店の窓から海の遠くを見ている。
いつも夕焼け時に、虹を探して海を眺めていたが
台風一過の朝焼けの美しさにあらためて気づく。
傾いた絵を元どおりに直す。
もしかしたら、もうお店は閉店するかもしれない。
悦子さんとお客さんたちとの会話や仕草、
気持ちの通じ合いがとっても優しい小説です。
よろしければぜひ。
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虹の岬の喫茶店
森沢明夫
幻冬社 2011年
2019年2月18日月曜日
読了メモ「オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史」オリバー・ストーン&ピーター・カズニック
読了。
ふぅ〜。年明けから相当ヘビーなものを読んでしまった。
1巻目が「二つの世界大戦と原爆投下」本文370ページ
2巻目が「ケネディと世界存亡の危機」本文398ページ
3巻目が「帝国の緩やかな黄昏」本文446ページ
オリバー・ストーン監督らが、現代アメリカ史の裏を暴いたって感じなんだろうけど、
サザンが歌っているように、学校ではまず、現代世界史は学習しないし、
テレビ特集やニュースで見聞きするのがせいぜいなところ。
なので、こういうの読んでしまうと、もうなんなんだろうって感じ。
アメリカってすごいことを起こしてきた国だと思う。
軍拡と権力と金とが、思惑とそれこそ大きな力で
動いていくその動勢は、読んでいて気味が悪いくらいになってしまう。
逆に冷戦を収束に向けて動いたゴルバチョフなんかの方が印象に残っているし、
レーガンの呆れた外交や、ブッシュの徹底した軍拡路線は鳥肌が立つ。
大統領としては、ギリギリでバラク・オバマまでなので
現職は出てこないけど、しっかりとアメリカ政治の現在の伏線を
確実に押さえて書き込まれています。もちろん対中国についてです。
どうかお願いだから、核のボタンをどの国も押さないでくれ。
武器輸出をして撃ち合いするなんて馬鹿げたことはやめてくれ。
一箇所でも火がついたら、もう地球は終わってしまう。
広島の何発分かなんて、比較して論じても意味のないレベルにきている。
真剣にそう思う話です。
で、この本を読んだ後に観てみたくなった映画は
「ザ・デイ・アフター」と「プラトーン」かな。
こういう本は日本では出ないだろうなぁ。
固有名詞や媒体名がバリバリ出てるし
当たり前だけど、伏せ字なんてないからね。
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オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史
オリバー・ストーン&ピーター・カズニック
大田直子/鍛原多恵子/梶山あゆみ/高橋璃子/吉田三知世/
熊谷玲美/小坂恵理/関根光宏/田沢恭子/桃井緑美子/
金子 浩/柴田裕之/夏目 大 訳
早川書房 2013年
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