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2014年5月31日土曜日

青山の青空

3月に亡くなられた安西水丸さんのエッセイ。「僕」「街」「時」の三つにくくられた風景からなる。雑感といえば雑感だけれども、素敵なつぶやきがいくつもあります。個性については「主張するものではなく、そこはかとなくにじんでくるもの」と言い、自身がイラストを描く時は「シンプルであることと、おいしそうであることを心がけている」とか。巻末の柴門ふみさんとの「プレゼント」をテーマにした対談もとてもいい。二人の会話がとてもやさしい。

2014年5月28日水曜日

リンさんの小さな子

吐露します。タイトルだけで手に取りましたw。でも、話はそんな腰軽なものではなく、戦争で家族を失ったリンさんと孫娘の赤ちゃんが祖国を追われます。そして妻を失った太ったおじさんとの友情と別れ、再会。二人の国は(恐らく)宗主国とその植民地の関係にあり、言葉は通じない。唯一交える言葉が「こんにちは」。ラストのシーンは滲む瞼のなかに浮かんできます。そして、読み終えて、ふと思ったのですが、はたしてこの子、本当は.....。