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2024年8月30日金曜日

読了メモ「ウルトラマンの東京」 実相寺昭雄

 

読了。

ウルトラマンやウルトラセブンだけでなく、
平成のウルトラマンシリーズも手がけた
実相寺さんの撮影当時エピソードがふんだんに盛り込まれた回顧録。

お話は昭和のウルトラマン、ウルトラセブンの頃なので、
当時の東京世田谷や川崎、調布あたりの風景が浮かび上がってくる。
実相寺さんが円谷プロに入った頃、
東京世田谷界隈は今では想像もつかないほどの緑につつまれ、
空が広く宇宙に近いと実感したそうだ。
高層の建物が多くなった今の東京をバックにすると
怪獣やヒーローのサイズ感覚がバグってしまいうまく撮れなくなったという。

撮影機材もビデオではなくフィルムの時代。
ジェットビートルやウルトラホークがピアノ線で吊られ、
ミニチュアの山や街並みがならぶ。
ロケでは夕陽を背景に隊員たちの演技を収録する。
ウルトラマンの頃はまだセットを話のたびに組みあげる撮影は少なかったそうで、
ウルトラセブンになってようやくスタジオセットでの撮影が増えてきたという。
実相寺さんが手がけたウルトラマン六話のうち、
スタジオセットをわざわざ組んだのは「怪獣墓場」の回だけだったらしい。
レギュラーセットは、科特隊本部とビートル操縦席まわり程度だったようだ。

本書の初出は1993年だが、
すでに撮影当時のロケ地や地名などが無くなっていることに気づく。
かたや意外なところが撮影に使われていたこともわかった。
当時の経団連ビルや、TBS社屋の屋上などは頻繁に使われたそうだ。
今は、その大手町や赤坂あたりも当時を思いおこす跡はほとんどなくなってしまっている。

実相寺さんが手がけたウルトラマンは六話、ウルトラセブンは三話ある。
以下にタイトルだけピックアップするので、
どんな怪獣や宇宙人が出てきたか思い出してみてください。全部わかるかな。。。
  1. 「真珠貝防衛指令」
  2. 「恐怖の宇宙線」
  3. 「地上破壊工作」
  4. 「故郷は地球」
  5. 「空の贈り物」
  6. 「怪獣墓場」
  7. 「狙われた街」
  8. 「第四惑星の悪夢」
  9. 「円盤が来た」

以下はAmazonへのリンクです。

 実相寺昭雄
 筑摩書房 2003年

2021年9月13日月曜日

読了メモ「ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた」 青山 通



読了。

皆さんはウルトラセブンの最終回を覚えているだろうか。

ウルトラ警備隊のダン隊員が、アンヌ隊員に
自分がウルトラセブンであることを告げるシーンがある。
この場面で、画面は逆光に反転し、
BGMは、一転してクラシックの曲が流れ始める。

本書は、この曲がなんという曲か、作曲者は誰か、
指揮者は誰か、ピアノは誰かを
著者が執拗に追求しつきとめていく物語である。

青山氏もウルトラセブンを観たのは幼少時代で、
子ども心ながら最終回のあのシーンは、
鮮烈な印象だったのでしょう。

ヒーローものは、特に最終回は、
なんとも切ないストーリー展開が常ですが、
ウルトラセブンは子ども向け番組とはいえ、
全話を通じて、大人も十分に楽しめる作品だったのではと思います。

前作のウルトラマンは、怪獣退治の専門家として
ベムラーという怪獣を追って地球にやってきて、
科学特捜隊のハヤタ隊員の体を借りて
幾多の怪獣を退治しました。
一方、ウルトラセブンは、はじめからモロボシ・ダンとして登場。
クール星人を撃退した功績を認められウルトラ警備隊に入隊します。

ウルトラマンと異なりウルトラセブンは、
地球を狙う宇宙人と戦う話が殆どでした。
そこには、宇宙人と地球人との共生というテーマがあった
とは、よく言われているところです。

最後は、皮肉にもダンは自らがM78星雲から来た
宇宙人ウルトラセブンであることを告白し
地球人アンヌのもとを去ることになります。

著者はこの運命的に出会ったクラシック曲を探すことを通じて
クラッシック鑑賞の面白さ、醍醐味を読者に伝えており、
また後半は、ストーリーも秀逸でBGMも効果的だった
ウルトラセブンのお勧め作品を紹介するという
ウルトラセブンへの愛に包まれた一冊となっています。

それでは、その最後のシーンはこちらから。

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ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた
青山 通
新潮社 2020年