読了。
ウルトラマンやウルトラセブンだけでなく、
平成のウルトラマンシリーズも手がけた
実相寺さんの撮影当時エピソードがふんだんに盛り込まれた回顧録。
お話は昭和のウルトラマン、ウルトラセブンの頃なので、
当時の東京世田谷や川崎、調布あたりの風景が浮かび上がってくる。
実相寺さんが円谷プロに入った頃、
東京世田谷界隈は今では想像もつかないほどの緑につつまれ、
空が広く宇宙に近いと実感したそうだ。
高層の建物が多くなった今の東京をバックにすると
怪獣やヒーローのサイズ感覚がバグってしまいうまく撮れなくなったという。
撮影機材もビデオではなくフィルムの時代。
ジェットビートルやウルトラホークがピアノ線で吊られ、
ミニチュアの山や街並みがならぶ。
ロケでは夕陽を背景に隊員たちの演技を収録する。
ウルトラマンの頃はまだセットを話のたびに組みあげる撮影は少なかったそうで、
ウルトラセブンになってようやくスタジオセットでの撮影が増えてきたという。
実相寺さんが手がけたウルトラマン六話のうち、
スタジオセットをわざわざ組んだのは「怪獣墓場」の回だけだったらしい。
レギュラーセットは、科特隊本部とビートル操縦席まわり程度だったようだ。
本書の初出は1993年だが、
すでに撮影当時のロケ地や地名などが無くなっていることに気づく。
かたや意外なところが撮影に使われていたこともわかった。
当時の経団連ビルや、TBS社屋の屋上などは頻繁に使われたそうだ。
今は、その大手町や赤坂あたりも当時を思いおこす跡はほとんどなくなってしまっている。
実相寺さんが手がけたウルトラマンは六話、ウルトラセブンは三話ある。
以下にタイトルだけピックアップするので、
どんな怪獣や宇宙人が出てきたか思い出してみてください。全部わかるかな。。。
- 「真珠貝防衛指令」
- 「恐怖の宇宙線」
- 「地上破壊工作」
- 「故郷は地球」
- 「空の贈り物」
- 「怪獣墓場」
- 「狙われた街」
- 「第四惑星の悪夢」
- 「円盤が来た」
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