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2020年1月22日水曜日

読了メモ「海底二万マイル」ジュール・ヴェルヌ



読了。

あ〜、なんでこのお話を
子どもの頃に読まなかったんだろうって
すごい後悔してる。

だって、だって、すごい面白いし、ワクワクドキドキするし、
日本だって出てくるし、世界中の海を渡るし、
なんつったって、ネモ艦長がカッコいい。
ノーチラス号って、ネーミングもいいよね。
ネットで探したらアマゾンでこんな模型を売ってたよ。
かっちょよい!!
ディズニーで映画化もされてた。



登場人物が着る潜水服なんて、
ゴジラの芹沢博士が最後のシーンで潜る時に着るような
ずんぐりむっくりで動きが鈍いはずなんだけど
それで、大きなサメや巨大イカと戦ったりするんだよね。
もちろんピンチがあるんだけど華麗に勝っちゃうわけ。
いや〜冒険活劇ってのはこういうのをいうのだね。


本来は、600ページにもおよぶ大作なんだけれど、
ポプラ社さんは、それをうんと圧縮して
子ども向けに編集してくれたんだそうな。


ちなみに、映画 "Back to the Future Ⅲ" で
ドクとクララが恋に落ちるシーンのキューピット役が
このSFの父であるジュール・ヴェルヌで、
海底二万マイルの話も二人の会話の中にでてくるよ。
二人の間にできる子どもの名前もジュールとヴェルヌだしね。


まだまだ、読み残している本が
いっぱいあるんだなぁと痛感させてもらったお話でした。

みなさんはとっくに読んでますよね。
えっ、まだ!? ならば、ぜし読まないと!!!

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海底二万マイル
ジュール・ヴェルヌ 南本 史 訳
ポプラ社 2000年


 

2020年1月13日月曜日

読了メモ「ひとりでは生きられないのも芸のうち」 内田 樹



読了。

大好きな内田先生の本である。
相変わらず、内田節が炸裂しており
先生の考え方には大変共感するところが多い。

本書は大きく分けると

・家族の変遷/少子化
・労働とモチベーション
・メディア論/なぜ言ってくれないのか
・グローバル化の果てに
・共同体とはどういうものか
・愛と与え合うこと・死者との会話

各章のタイトルは、きちんとあるけれど
自分が読み終えた後に微妙にキーワードを
つけるとこんな感じか。

「C」が頭文字の某有名ファッション誌を取り上げて
日本が誰に対してもラブリーな唇でウフフな戦略を繰り広げている
という指摘なんかは、そうなのかぁと肯くことしきり。


でもやはり、最後の 愛についての章の
さらに最後に出てくるセンテンスが心に残る。
先生の持論である贈与についての話だ。

 I cannot live without you.

先生は、この you にあたる人を増やしなさいという。
赤ちゃんの時は、母親だけだが、成長するにしたがって
増やしていくことが大切な生き方だと。

他の章では、現代の日本の文化や習慣が
こうなってきている、いつのまにか変貌をとげてしまった、
という感じで、どちらかというと批判的というか
この先々を心配されている流れでクロージングをしている。

それは先生自身の嘆きでもあるのであろうが
こういう切り口、視点で現代日本をみることができたり、
見つめることができたりするチャンスをいただけるのは
大変ありがたいことだと思う。


読後には、きっとキャッチボールがしたくなりますよ。


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ひとりでは生きられないのも芸のうち
内田 樹
文藝春秋 2008年2月






2020年1月6日月曜日

読了メモ「暮らしの哲学」 池田晶子




読了。

2020年の一冊目は、「哲学」です。
タイトルは「暮らしの哲学」
あの「14歳からの哲学」を著した池田晶子氏の
哲学エッセイです。

なので、お気楽に読んでも大丈夫かなと思って
ちょっと気を許すと、はて....、何の話だったっけと
中身を見失うことしきり。
やはり哲学「書」を読むときは
心して一言一言を考えて読まなければいけません。うむ。

現象の本質を考えるのが哲学なのです。
典型的な命題として下記があります。
どう生きるかではなく、生きるとはどういうことなのか。
本質である後者の問いを識ろうとするのは
前者の問いの現象を知るためなのだからということだそうです。
現象と本質が別のことであるわけがないのだからだそうです。
よいですか。

読み進めていくと、数の不思議から無と無限を考え
言葉の不思議から宇宙の存在を考えていくことになります。
言葉が人の心を動かすことの凄さ、
人の心はそのまま宇宙であるから、
言葉は宇宙を変える魔法ではないか。
とまで言い切ってくれます。
すごいです。

また人を動かしているのは思想やイデオロギーではなく
「好み」という主観であると。
これはなんだか、わかりやすい気がしますね。
そして幸福とは一体何かの価値転換を
なるべく早い年齢のうちにはかっておくことが大切だそうです。
年をとってからでは難しいそうで.........、あれ?


まぁ、タイトルに絆されて本棚から手に取ったのですが
新年早々、お餅を食べながら、
黙考し、頭をかなり使った一冊だったのでした。
若くして亡くなられたのが、大変残念な思いのする方の本でした。

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暮らしの哲学
池田晶子
毎日新聞社 2007年