読了。
大好きな内田先生の本である。
相変わらず、内田節が炸裂しており
先生の考え方には大変共感するところが多い。
本書は大きく分けると
・家族の変遷/少子化
・労働とモチベーション
・メディア論/なぜ言ってくれないのか
・グローバル化の果てに
・共同体とはどういうものか
・愛と与え合うこと・死者との会話
各章のタイトルは、きちんとあるけれど
自分が読み終えた後に微妙にキーワードを
つけるとこんな感じか。
「C」が頭文字の某有名ファッション誌を取り上げて
日本が誰に対してもラブリーな唇でウフフな戦略を繰り広げている
という指摘なんかは、そうなのかぁと肯くことしきり。
でもやはり、最後の 愛についての章の
さらに最後に出てくるセンテンスが心に残る。
先生の持論である贈与についての話だ。
I cannot live without you.
先生は、この you にあたる人を増やしなさいという。
赤ちゃんの時は、母親だけだが、成長するにしたがって
増やしていくことが大切な生き方だと。
他の章では、現代の日本の文化や習慣が
こうなってきている、いつのまにか変貌をとげてしまった、
という感じで、どちらかというと批判的というか
この先々を心配されている流れでクロージングをしている。
それは先生自身の嘆きでもあるのであろうが
こういう切り口、視点で現代日本をみることができたり、
見つめることができたりするチャンスをいただけるのは
大変ありがたいことだと思う。
読後には、きっとキャッチボールがしたくなりますよ。
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ひとりでは生きられないのも芸のうち
内田 樹
文藝春秋 2008年2月
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