読了。
サリンジャーの本を2冊読みました。
どちらも短編集ですが、前者の方は連続短編という感じ。
翻訳者が違うので、読み応えはどうかなと思ったけれど
さすがに、評判の高いお二人なので、大変読みやすかったです。
ただ、前者の本の最後のお話は、手紙形式なのですが、
とても分かりにくかったし、あまりに長すぎるのが玉に瑕です。
サリンジャーといえば、「ライ麦畑で捕まえて」が有名で、
逆にそれを読んでしまうともう読む機会はないくらいだったのですが、
今回、思い切って2冊読み切ってみました。
どちらも、時代背景は、第二次世界大戦前あるいは戦中の頃で、
前者の本では、戦場の生々しい話があったり、
兵士の悲しさや寂しさ、故郷を想う心情が描かれています。
日本兵と戦う話や、ヨーロッパ戦線の話も出てきて、
話の広がりがワールドワイドで、思わずのめり込んでしまいます。
後者は、戦場がでてくるところはないですが、
逆に、それぞれのお話の最後の部分で、
背筋に冷たいものが走るようなゾワッとする形で終わる話や、
悲鳴をあげそうになる話が多いです。
このような展開が多かったのは少々意外でした。
おすすめとしては、最後にビックリさせてくれる部分もあるから
後者の本を推すかな。
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このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年
J.D.サリンジャー 金原瑞人訳
新潮社 2021年
ナイン・ストーリーズ
J.D.サリンジャー 柴田元幸訳
ヴィレッジ・ブックス 2009年