読了。
1月も終わりそうですが、今年最初の読了メモです。
2014年に初版が刊行された米文学。
農家で育ったウィリアムという青年が英文学に目覚め、
その後、大学で教鞭を振るう一生を綴った小説です。
この文章で始まります。
「ウィリアム・ストーナーは、1910年、19歳でミズーリ大学に入学した。」
ウィリアムは、群の農事顧問の推薦を受けて、大学の農学部に進学を決めます。
ただ、なかなか農学部の勉強に馴染むことができず、
途中で英文学に惹かれ、文学部に両親に断りもなく転入してしまいます。
そして、卒業後も両親の下には帰らず大学に留まり、教師となる道を選びます。
ウィリアムは、とあるパーティで見初めた女性と結婚し、
女児も授かることができます。
しかし、この女性がなかなかの強者で
あとあとまでウィリアムに大きなストレスを加え続けることになります。
一方、大学では、人間関係や軋轢に悩み続けます。
主義主張の激しい学生や教授陣の渦の中で、
ウィリアムは悩み、また運命の悪戯で何度も窮地に立たされます。
そして、ウィリアムはいつしか体の不調を訴えるようになり。。。。
そして最後は、この一文で終わります。
「指から力が抜け、手にした本がゆっくり傾いて、
動かぬ体の上を素早くすべり、部屋の静けさの中に落ちていった。」
読み終えて思うのは、全編にわたる寂しさや悲しさ。
ウィリアムは、なぜにここまで追い詰められなければならないのかという悔しさ。
一方で、ささやかでも喜びや幸せを感じて生きていく
人生の素晴らしさを教えてくれました。
喉に少々ものがつかえる感じのお話でしたが、
感動的な小説に出会うことができました。
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