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2019年11月2日土曜日

読了メモ「似顔絵物語」 和田 誠




読了。

ずいぶんと、日にちが経ってしまいましたが
和田 誠さんが亡くなられました。
ご冥福をお祈り申し上げます。

和田さんといえば、細い線で書かれた
イラストや似顔絵のイメージなんですけど
最初のころは、筆で書いていたらしいです。

学生の頃は、時間割を先生の似顔絵で作成したり
友人の似顔絵も描いたりして、練習していたそうです。
本書にも、和田さんの描いた似顔絵がふんだんに載っています。

以前、江口寿史さんのイベントに行ったことがあって
即興でお客さんの似顔絵を描くというコーナーがあったんですけど
これがとてもいい訓練になるんだと言っていました。
何事も努力ですね。
本書の文末にも和田さんらしい取り上げ方で
努力することの大切さを諭してくださっています。


本書には、いろんな似顔絵描きの方の話がたくさんでてきます。
もちろん山藤章二さんとの話もあります。
週刊朝日を後ろから開かせる男と言わしめた
あのブラッック=アングルという似顔絵のコーナーです。
和田さんは、とてもとてもあんな風には書けないと言っています。
顔以外の部分も含めて、その当時に起きた事件や世論を
一つにまとめてしまうっていう技術は、なかなかできないし
それでいて、とてつもない量を書いているので
全く追いつけないと言っています。

安西水丸さんが描く村上春樹さんの話もあって
和田さん曰く、あれは、あまり似ていないけど
村上春樹以外の何者でもない、ある種の記号といえるかもしれないなと。
もしかしたらピクトグラムとでも言いたかったのかな。


ちなみに、イラストレーターという肩書を使い始めたのは
和田さんだとか。本当かな。ちょっと意外。
その和田さんのお顔、もしくは自画像をご存知の方はいますか?
案外、似顔絵の上手な方って自分の顔を描かないようですね。
本書には、和田さんの似顔絵が載っていますので
是非みてください。ちょっとイメージかわるかもw

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似顔絵物語
和田 誠
白水社 2006年




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