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2019年12月16日月曜日

読了メモ「海色の壜」「季節配達人」 田丸雅智



読了。

今回は、ショートショートの本二冊です。

著者の田丸氏は、星 新一の孫弟子にあたる筋の方だそうですが、
お生まれが、なんと自分が大学を卒業した年なのです。
なんつーかジェネレーションっつーものを感じますね。


この二冊との出会いは、本屋さんではありません。
作者としての田丸氏と、現役の女性ラジオパーソナリティの読み手、
即興音楽担当の電子ピアニスト、挿絵担当のイラストレーター、
という四人で企画開催された「野良ラジオ」という
珍しくも楽しい朗読イベントだったのでした。

ラジオにまつわる田丸氏のショートショートが読まれたのですけれど
すでにCD化されており、実をいうと自分はそのCDを事前にゲットし、
予習した上での参加だったのでした。
事前に聞いてはいたものの、
実際に生で聴くと、また臨場感がグーンとあってよき体験でした。

途中、客席からキーワードを募って
その場で作品を創作するという離れ業も。
即席のお話のタイトルは「痛風プラモデル」
観客の年齢層が推測できそうでおかしいです。
もちろん、即興音楽とイラスト付きで
すぐに朗読されるというワクワク企画だったのでした。


で、そこにあったのがこの二冊。
「海色の壜」のなかにある「海酒」というお話は
芥川賞作家でピースの又吉直樹主演で短編映画にもなったとか。
一方、小さい冊子の「季節配達人」は、
一般にはまだあまり流通していないかもしれません。


田丸氏のWebsiteに行くと朗読推進プロジェクトという
コーナーがあって、自分の作品を朗読会などで
使ってみてくださいみたいなことが書いてあります。
なので、今度、朗読会があった時には
田丸氏の作品の中から選んでみようかな。


肝心な本の内容はナンセンスなショートショート。
SFと区分される星 新一とはちょっと味付けが違うし
やはり、作品に今の風が吹いているとでもいうのでしょうか。
読んでいて若手作家の勢いを感じます。

短くて読みやすいお話ばかりなので、是非。

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田丸雅智
「海色の壜」出版芸術社 2015年
「季節配達人」田丸舎 2019年








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