読了。
著者は、ブラジルの作家。
一方、物語は、スペインのアンダルシア地方から、
エジプトはギザのピラミッドにまたがる
夢見る少年の冒険譚です。
少年の名前はサンチャゴといい、羊飼いを生業としています。
放牧をしながら旅していくことを夢みており、
父親からわずかのお金と羊を元手に旅立ちます。
途中、占い師に会って、エジプト行きを勧められ
セイラムという国の年老いた王様と出会い
自分の運命に気付きます。
エジプトのピラミッドの宝物を目指せというのです。
しかし、エジプトに行くには、広大なサハラ砂漠を
横断しなければなりません。
そのためには、お金が必要です。
途中、騙されて一文なしになったりしますが
それでもサンチャゴは、クリスタルガラスのお店で
一生懸命働き、お金を貯めて、あらためて出発します。
サハラ砂漠を渡るキャラバンのメンバーになり、
進む途中で大きなオアシスにたどり着きます。
そこで、運命的な女性と巡り合い、
また、ここから先の苦難の旅を共にする
勇猛果敢な錬金術師と出逢います。
風と砂と太陽を味方につけて
最後はピラミッドにたどり着くのですが
果たしてサンチャゴは宝物を見つけることができたのか。
少年の冒険物語ですが、人生は過去も未来もなく、
今この時を精一杯生きることの大切さを教えてくれて、
必ずその中に、「前兆」がある。
その前兆を見逃さないようにすれば、
自ずと人生は開けていくというのです。
錬金術師は、鉛から金を創り出すだけでなく、
以前の人生より、更に良くなることを目指し、
常に今の自分より良いものになろうと努力すれば
周りもよくなっていくという話であったり。
そして、夢を追求している時は決して傷つかない。
追求の一瞬一瞬が神との出会いであり
永遠との出会いであるから自信を持てと。
などなど勇気づけられるメッセージが
ふんだんに盛り込まれています。
本文は、文庫本でわずか196ページと薄いですが、
学ぶべき人生の知恵、夢を追い求める勇気、
今を生きることの大切さを読んで感じ取ることができます。
ちょっと時間があいていたら
サンチャゴと一緒に夢見る冒険に出てみてください。
===================
アルケミスト 夢を旅した少年
パウロ・コエーリョ
山川絋矢/山川亜希子 訳
角川書店 2010年
0 件のコメント:
コメントを投稿