読了。
ホラー小説。短編が2篇。
と言っても、ド派手なスプラッターなものではない。
言ってみれば、日本風の穏やかだがゾクっとする
どちらも「異世界」の不思議な話。
どちらも「異世界」の不思議な話。
一つは、書名にもなっている「夜市」。
妖怪が集まる夜市に、人間が入っていく。
望むものは何でも手に入る。モノとは限らない。
頭が良くなったり、運動神経を良くしたりすることもできる。
言ってみれば、夢が買える場所だ。
ただ、お金では買えない。
物々交換なのだ。妖怪が交換相応と納得したものでないと
欲しいものに交換してもらえない。
夜市に迷い込んだ裕司は、とんでもないものと
欲しい力を交換してしまう。
もう一つは、「風の古道」
みなさんも、あれ?この小さい路地に入ったことないな。
と思ったところとかありませんか。
今まで、気がつかなかった路地や草むらの中を入っていくと
人通りのない知らない道に出てしまった。
迷い込んだ少年は、通りすがりの青年と一緒に歩き始める。
その道の本性がだんだんとわかってくる。
命の危険を感じることもあったし、
何か懐かしい風を肌に感じることもあった。
ただ、元の世界へ通じる出入り口は、
閉じられているところもあって、なかなか元の世界に戻れない。
でも、最後はちょっと切ない終わり方。
ホラーというわりには、安心したかな。
2篇で200ページほどの分量です。
ちょっとした隙間に異世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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夜市
恒川光太郎
角川書店 2008年
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