読了。
約680ページの長編。準鈍器本か。
「河内十人斬り」という史実に基づいた小説で、
ガチガチなハードな内容かと思っていたら
会話は全て河内弁、地の文もそれが混じり
ツッコミとボケが展開されて笑いだしてしまうほど。
主人公の城戸熊太郎は、喧嘩上等の博奕打ちで
本当にどうしようもなく、村でも手がつけられない極道者。
ただ、その熊太郎の心の声が丁寧に語られており、
騒ぎを起こしていることとは裏腹に、
相手のことを慮りながらも、
思い通りにできない苦しさ、歯がゆさが
読者の心をゆさぶる。
自分はなぜこんなに暴れてしまうのか。
敗けて銭がなくなるのに、なぜ博奕を続けるのか。
愛するあの人は神仏なのではないか。
心と実際の言動が一致しなくてもどかしい。
そして、最後の一言でやっと熊太郎の思いと行動は一致します。
河内弁の表記が自分には読みづらくはあったものの、
熊太郎の世界に引きづり込まれるように読んでしまった。
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