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2016年10月19日水曜日

読了メモ「エルマーと16ぴきのりゅう」R・S・ガネット



読了。

冒険物語の楽しみってどこにあるのでしょう。
ジェットコースターに乗ってるようなストーリー展開、
主人公に迫る危機、見たこともない世界との遭遇。。。。

いろいろとありますけれど、
主人公になりきって読み手が味わうことのできる
二つの楽しみに思い当たりました。

 
まずは「秘密である」ということ。
そう、冒険は秘密でなければドキドキ感が全然違うのです。
仲間のりゅうを救い出すために、
エルマーとりゅうのボリスは一緒にいるところを
他の人間に知られてはならないのです。
もちろん、お父さんやお母さんにも秘密。
親に秘密というのは、子ども達にとって
とっても心拍数のあがることだと思います。

りゅうの背に乗って空を飛んでいる時に船のサーチライトに照らされたり、
帰りの汽車の車掌さんや切符売りのおじさんに不審がられたり、
そしてそのことが、お父さんの読んでる新聞に載ってしまったとしても、
エルマーは最後まで秘密を貫き通しますよ。
物語の最後までエルマーの心臓のバクバクするのが聞こえてきそうです。


もう一つは「準備する」ということ。
冒険を始める前には、綿密周到な計画を立てて
必要なものを必要な数だけ揃えておかなければなりません。
たとえ、それがチョコレートであっても笛やラッパであっても、
ひとつづつリストアップしていくのです。
冒険に必要な理由が全てにあるのですから。
その準備する時のわくわく感たらありません。

話はかわりますが、これって人に贈るプレゼントを
選んでいる時の気持ちと似ていると思うのです。
贈る相手のことを思い浮かべて、喜んでくれるものって何かなと品物を選ぶ。
プレゼントって選んでる時もプレゼントの一部なんだよって
家人が言っていたのをおぼえています。

でもね、そのせっかく準備したものを、
冒険の途中で食べたり使っちゃうのですよね。
あきらかに本来の目的とは違う使い方なので、
おいおい、そんなに大丈夫かよって思わず言いたくなってしまう。
そんな脱線も冒険物語のハラハラな感じを盛り上げてくれる要素です。

子どもの頃に戻って冒険物語を読んでみませんか。
そらいろこうげん、ごびごびさばく、とんがりさんみゃくが待ってますよ。

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エルマーと16ぴきのりゅう
ルース・スタイルス・ガネット 作 ルース・クリスマン・ガネット 絵
渡辺茂男 訳
福音館書店 1997年





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