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2016年10月8日土曜日

読了メモ「サンドウィッチは銀座で」平松洋子



読了。

読み始めたのっけから、お腹の虫が鳴き出す。
そんな、食べ物系エッセイ。
春のネタを盛り込んだ天ぷら、
餃子とビールが最強コンビである話、
ともに照り具合が食欲をそそる鰻やオムライス、
てっちりで味わうひとり鍋の醍醐味、
料理も看板も色鮮やかな場末の中華料理店のざわつき、
最後は、東西の美味しい老舗を巡る。

文章だけでこうも食欲をそそり、
唾液がでてくることはかつてなかった。
どれもこれも、とてもとても美味しそうなのだ。
読み進めるテンポもいいし、目の前に次々とできたてのお皿が回ってくるよう。
谷口ジローの画が、また文章とあいまって胃袋を刺激してきます。
細やかな線で描写された料理に、立ち上る湯気が見えて、
食している人たちの はふはふ という声が聞こえてきそうです。

タイトルにある「サンドウィッチ」。
自分は、「サンドイッチ」と言っていたし書いていた。
発音や字面のちょっとした違いでイメージも変わる。
そして、銀座にあるビニールシート椅子の
レトロなお店で出てくるのは「サンドゥイッチ」なのでした。
整然と切りそろえられ、ハムや卵、レタスの彩もきれい。
80円増しでパンをトーストしてくれるので、これにきつね色が加わります。
いいなぁ。書いていて無性に食べたくなってきた。
そういえば、同じ銀座の木村屋総本店では、
混んでることもあって、いつも手っ取り早く「あんぱん」ですませていた。
次はじっくりサンドウィッチにトライしてみよう。

巻末には、紹介されたお店と住所も載っています。
ネットでこの手の情報が溢れている中で、
こんな丁寧な構成もうれしくなってしまう。
閉店したお店の話は残念でしたが、
今あるうちに行って食べておかねば!という気にさせてくれます。
もちろん、チェックいれてます。
鰻のお店とオムライスのお店に行きたい。
天井の高い桜鍋のお店もいいなぁ。

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サンドウィッチは銀座で
平松洋子
文藝春秋 2011年

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