2018年3月12日月曜日

読了メモ「津 軽」太宰 治 「こころ」夏目漱石



読了。

タイプの違う文豪作品を二冊続けて読みました。

まずは、太宰 治の「津軽」。
実は初めて読んだのですが、
今まで持ってた太宰感がふっとんでしまいました。
途中で吹き出してしまうようなところもあったりして。
彼の故郷である津軽は、
グレーで曇っていて、どことなく寒くてという
寂寥感をいつもイメージして持ってしまっていたのですが、
故郷にいる知り合いを訪ね、知己に会い、歓迎され、
ペンネームでなく本名で呼ばれ、
東京の気障ったらしいところを互いに笑い合う。
歳を重ねるごとに故郷は、京都よりも奈良よりも
どんな都よりも素晴らしくなっていくという語りが印象的でした。

もう一つは、夏目漱石の「こころ」。
ちなみに、昨年読んだ初期三部作と同じ装丁の文庫を探してみました。
こちらは再読です。
といっても、以前読んだのは中学生の頃か。もう40年も経つ。
生意気にも中学生の時によく読んだなぁと。
たぶん半分以上わかってなかったんじゃないかとか。
恋愛が絡んで自殺におよぶ話だったよな程度くらいにしか覚えていなかったし。
先生という存在の大きさ、友人との心の通い、そして自己。
主人公のうちなる、それこそ心のひだが揺れ動く様は
読んでいて気持ちが悪くなる時もあった。
それほどに丁寧に、真意をついて書かれているのだと思う。

津軽は自分にとってはとても新鮮だったし、
こころはあらためて重鎮な作品だった。
今度はちょっと変わったのを読もうかな。

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津軽
太宰 治
未知谷 2006年

こゝろ
夏目漱石
角川書店 2014年




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