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2018年6月21日木曜日

読了メモ「音楽する人間 ノードフ - ロビンズ創造的音楽療法への遥かな旅」クライヴ・ロビンズ



読了。

音楽、特に生の演奏を通じて
自閉症、健康障害、神経性障害、重複障害など
さまざまな障害を持つ子どもたちに問いかけや、
新しい発見や発育を促していく。

本書の中には、シュタイナーの人智学という言葉が頻繁にでてくる。
自分はそれを学んだわけではないが、
一種の霊的な力の考え方も含んでいるようで
音楽はそれを導き出すというのだ。

それがどうかは別にして、
実際、生で演奏をしながら、簡単な言葉を
子どもたちになげかけていくと
不思議なことに、それまでなんの横のつながりもなく
殻に閉じこもっていた子どもたち同士の間に
わずかづつコミュニケーションが生まれる。

部屋の中に、葉っぱを散らし、箒を分解しておくと
まずは、箒を作ろうとみんなで協力し、
葉っぱのゴミを一箇所に集めようとする。

人と全く話すことを拒んでいた子どもが
演奏を通して話しかけることで
挨拶をし、問いかけを始める。
母親の運転する帰りの車の中で、歌を歌い始める。
今までなかったことだ。母親の驚きようったらない。

当然と言っては残念だが、
このような試みを拒絶する人々もいることも記されている。
しかし、それも実績を積み上げていくことで
立証され、信頼を得ていく。


自らの意識を「あらねばならぬ」ではなく
「何者であるか」と解釈していくことと結ぶ。

考え方や信念を活字で理解することは
難しいかもしれないが、本書には
付録としてDVDが付いている。
創造的音楽療法の貴重な記録映像だ。
本文を読みを得た後、実際の姿が結果がそこで見えるのは
大変な説得力がある。

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音楽する人間 ノードフ・ロビンズ創造的音楽療法への遥かな旅
クライヴ・ロビンズ 生野里花 訳
春秋社 2007年



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