読了。
著者は「思考の整理学」で有名な
大正12年生まれの大御所である。
まず、セレンディピティとはなんぞや。
本書によれば、
「思いがけないことを発見する能力。
特に科学分野で失敗が思わぬ大発見につながったときに使われる。
おとぎ話(The Three Princes of Serendip)の主人公が
この能力を持っていることから。
イギリスの作家H・ウォルポールの造語。」
とある。
本の読み方には、アルファ読みとベータ読みの二通りあり、
アルファ読みは既知の情報について読むもの。
ベータ読みは未知の情報について読むもの。
だそうで、はるかにベータ読みの方が面白そうではあるが
アルファ読みでも新たな発見があったりするので
これもセレンディピティであったりする。
本の読み方にもアドバイスがあった。
「本は風のごとく読むのがよい」そうだ。
「やみくもに速いのはいけないが、熟読玩味はよろしい。
のろのろしていては生きた意味を汲み取るのはおぼつかない。」
ということだ。
乱読についても
「専門バカがあらわれるのも、タコツボの中に入って
同類のものばかり摂取しているからで、
ツボからでて大海を遊泳すれば豊かな幸に
めぐりあうことができる」
と爽快に勧めてくださっている。
さらに、乱読は気が若返る。
乱読のストレス解消力はアンチエイジングの
もっとも有効な方法ではないかと。
ここまで書かれてしまうと、乱読せずにはいられませんね。
乱読派の自分には、追い風を背中に感じて気持ち良い一冊でした。
ただ、注意点があるんです。
本は知識を増やしてはくれるが
思考力は別の方法で養わなければならないのです。
さて、その方法とはなんだと思いますか?
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乱読のセレンディピティ
外山滋比古
扶桑社 2014年
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