2021年4月25日日曜日

読了メモ「洋食屋から歩いて5分」片岡義男


読了。

書き下ろしもあれば、
雑誌掲載されていたものもある、
片岡義男さんのエッセイ集。
なので、長さもばらばら。
短いお話もあれば、十数ページになるものも。

特に、前半はコーヒーの話が多い。
冬のコーヒーの暖かさ、
一口目の時のコーヒーの香り、
小さな非日常体験をさせてくれるコーヒー、
神保町でのコーヒーのハシゴ。
いずれも、片岡さんの小説に少なからず
携わっているコーヒーたちのお話。

料理のお話も。
料理本のレシピの一行を並べてみると
詩ができると書いてあったけど本当かな。
幕内弁当の栗きんとんと蒲鉾の置かれ方の蘊蓄が、
小説のタイトルになったこともあったとか。
そして、居酒屋には、なぜにこうもメニューが多いのか。
そういえば不思議ですね。

子どもの頃に、初めて素麺や雲呑を食べた時の感動。
食すものの味のベースが全て醤油であるとの気づき。
廃業することになった行きつけの食堂から、
湯麺の店頭展示サンプルを値札ごともらった時の嬉しさ。
真夏、喉がカラカラの時に飲むコップ一杯の水。

どのお話も、街での喫茶店での思い出話や
美味しそうなメニュー、ちょっとした出来事のお話で
とても穏やかな時間を過ごすことができる一冊です。

お時間のある時にぜひ。

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洋食屋から歩いて5分
片岡義男
東京書籍 2012年

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