2021年4月13日火曜日

読了メモ「種の起源」上・下 チャールズ・ダーウィン



読了。

皆さんもよくご存知の本じゃないでしょうか。
世界史でも習いましたね。

自分は子どもの頃から生物が好きで、進化などに興味があったので
世界中を探検して、進化論を世に説くチャールズ・ダーウィンに
とっても憧れていて、尊敬してました。
そういう子どもだったんです。

でも、学生時代、種の起源を読むのを何回挫折したことか。
岩波文庫の上下巻を揃えて、何度か挑んだのですが
その都度、途中で読まなくなってしまうのでした。
そんなこんなで幾星霜。
光文社から新訳版が出ているのを知って
今度こそはと再チャレンジして
この度、読破することができました。

ダーウィンといえば、ガラパゴス諸島や進化論などの
キーワードが浮かびますが、本書には
ガラパゴス諸島がでてくるのは、2度か3度程度で
有名なゾウガメのことなんかは一度も出てきません。
また、ダーウィンは、単に進化を説いているのではなく
個々の生物は、利益によってのみ、その利益のためにのみ作用するという
「自然淘汰」いう自説を何度も何度も何度も繰り返しています。
ただ、その自然淘汰はほんの少しづつしか前進せず、
その途中段階の地質学的証拠が殆ど見つかっていないという
自説の論拠の弱点を明らかにしつつも
その点をリカバリーする議論を展開し、
当時、宗教的にも席巻していた
創造主論を徹底して論破していきます。

また、生物の地理的分布の広がりについては
大陸移動説よりも、氷河期における生物自身の移動が多いこと
物理的環境よりも、生物間同士の関係性によって、
異なる地域で、類似した習性を持つ種類が存在することなど
壮大かつ繊細なスケールな話もありました。

意外だったのはダーウィン一人だけでなく
数多くの科学者やナチュラリストが
自然淘汰論をサポートするような
理論展開や実験観察を行っていることも知ることができました。

とにかく、ダーウィンの「熱意」をまざまざと
見せつけられる本でした。
子どもの頃から好きだった憧れの本書を読了することができて
本当によかったです。

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種の起源 上・下
チャールズ・ダーウィン 渡辺政隆訳
光文社 2020年


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