読了。
いやはや、読みきれるとは思ってなかった。
というか、そもそも一生のうちに読むんだろうか?
とまで思っていた作品。
ロシア文学は、ツルゲーネフの「初恋」や
トルストイの「イワンのバカ」くらいしか
読んだことがなくて、
いわんやドストエフスキーなんて。
と、今までかなり敬遠していたのですが、
新訳版も出ているし、いっちょトライしてみるかと思い立てば、
あれよあれよと、上・中・下と読み終えていました。
読破に大いに役立ったのは本書についてくる栞で、
栞の両面に主な登場人物と簡単な素性が書かれているのです。
ロシア人の名前は覚えづらいのが最大のネック。
タイトルが「罪と罰」なので当たり前なんですが
これは犯罪小説です。殺人事件がおきます。
でも、探偵とかは出てこなくて謎解きなどは特になく、
主人公や取り巻く人々の思惑、
周囲の視線のしたたかな矛先、
貧富の格差からの蔑み、諦め、偏見、
などが、えげつないくらいに描かれていて、
人ってこんな風になっちゃうんだぁとか
いったい何を狙ってそこまでするんだろうか
という人間の欲の深さを感じながら読んでいました。
それに、警察や検察、国家という権力の
市民への圧力なんかもボディブローで響いてきます。
そんな辛い世間を渡る中でも、
愛する人への想いの尊さに心救われるところもありました。
登場人物の名前が難しいのは、
先にも書いた栞の活用で解決できるし、
新訳版はやっぱり読みやすいと思います。
次は、「カラマーゾフの兄弟」かな。
こちらも、学生時代に何度挫折したことかw
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罪と罰
ドストエフスキー
亀山郁夫訳
光文社 2021年
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