2021年8月22日日曜日

読了メモ「罪と罰」ドストエフスキー



読了。

いやはや、読みきれるとは思ってなかった。
というか、そもそも一生のうちに読むんだろうか?
とまで思っていた作品。

ロシア文学は、ツルゲーネフの「初恋」や
トルストイの「イワンのバカ」くらいしか
読んだことがなくて、
いわんやドストエフスキーなんて。
と、今までかなり敬遠していたのですが、
新訳版も出ているし、いっちょトライしてみるかと思い立てば、
あれよあれよと、上・中・下と読み終えていました。

読破に大いに役立ったのは本書についてくる栞で、
栞の両面に主な登場人物と簡単な素性が書かれているのです。
ロシア人の名前は覚えづらいのが最大のネック。

タイトルが「罪と罰」なので当たり前なんですが
これは犯罪小説です。殺人事件がおきます。
でも、探偵とかは出てこなくて謎解きなどは特になく、
主人公や取り巻く人々の思惑、
周囲の視線のしたたかな矛先、
貧富の格差からの蔑み、諦め、偏見、
などが、えげつないくらいに描かれていて、
人ってこんな風になっちゃうんだぁとか
いったい何を狙ってそこまでするんだろうか
という人間の欲の深さを感じながら読んでいました。
それに、警察や検察、国家という権力の
市民への圧力なんかもボディブローで響いてきます。
そんな辛い世間を渡る中でも、
愛する人への想いの尊さに心救われるところもありました。

登場人物の名前が難しいのは、
先にも書いた栞の活用で解決できるし、
新訳版はやっぱり読みやすいと思います。

次は、「カラマーゾフの兄弟」かな。
こちらも、学生時代に何度挫折したことかw

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罪と罰
ドストエフスキー
亀山郁夫訳
光文社 2021年 



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