読了。
中学生の頃にも読んだであろうよく知られたもの、
題名は知っていてもまだ読んでいなかったもの、
そして全くの初見のものまで16の短編が編まれていた。
その他に俳句、詩からなる。
ちなみに、表紙の絵は明らかに「羅生門」なのだが、
本書には掲載されていない。
さすがだ、もうどれも傑作。
読み終えても、この後の展開はどうなるんだろうと
続きを聞かせてくれと言いたくなるくらい面白かった。
人の心を正すような作品もあれば、
思わず微笑むような作品、切羽詰まるような迫真の作品、
そして自らの人生を振り返ったような作品も。
「或阿呆の一生」などはモロに作者本人のことなので
事前知識として芥川龍之介の人物伝などを
ざっくり把握しておくとより理解が深まる。
実際、自分も芥川龍之介に関する動画を事前に観てから読んでみた。
本書は巻末に年譜も掲載されているので参考になる。
芥川龍之介は35歳で自死してしまうが
その背景には複雑な家族関係があった。
このことを知っているだけでも
数々の作品の読み方は違ってくると思う。
一人の作家の作品がコンパクトにまとまっている
この「ちくま日本文学」シリーズ。
実は初めてだったがとてもよかった。
まだいくつか積んであるので楽しみである。
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