2023年12月31日日曜日

2023年 読了本一覧

お久しぶりでございます。
こちらへの書き込みはちょうど一年ぶりです。

2023年は80の作品を読むことができました。
冊数では88冊。ジャンルは相変わらずノンポリです。

この一年、書影とメモを Instagram にアップしておりましたが
新しい2024年は、再びこちらにアップしようかなと考えております。

ただ今後も、アップはできる範囲で
気が向かなければアップしなくてもいいや
というマイペースでいきたいと思います。
実際、2023年も読了本全てをInstagramにアップしたわけではありませんでした。


では、あんなこんなで2023年が暮れていくなか
今年の88冊をご紹介します。選書のご参考になれば幸いです。
最下部の書影のスライドショーもよろしければご覧ください。
なお、書籍名のリンクはAmazonに飛びます。

  佐藤正午
  岩波書店
  読了日:2023年1月1日

2)シューレス・ジョー
  W・P・キンセラ(永井 淳訳)
  文藝春秋
  読了日:2023年1月5日

3)六人の嘘つきな大学生
  浅倉秋成
  角川書店
  読了日:2023年1月9日

4)水中の哲学者たち
  永井玲衣
  晶文社
  読了日:2023年1月10日

5)元彼の遺言状
  新川帆立
  宝島社
  読了日:2023年1月12日

6)エレガンスの流儀
  加藤和彦
  河出書房新社
  読了日:2023年1月13日

7)夢のなかの夢
  アントニオ・タブッキ(和田忠彦訳)
  岩波書店
  読了日:2023年1月13日

8)ぼぎわんが、来る
  澤村伊智
  角川書店
  読了日:2023年1月16日

9)小銭をかぞえる
  西村賢太
  文藝春秋
  読了日:2023年1月18日

10)動物農場
   ジョージ・オーウェル(山形浩生訳)
   早川書店
   読了日:2023年1月20日

11)砂の器(上)
   松本清張
   新潮社
   読了日:2023年1月22日

12)砂の器(下)
   松本清張
   新潮社
   読了日:2023年1月24日

13)話術
   徳川夢声
   新潮社
   読了日:2023年1月25日

14)銀河鉄道の父
   門井慶喜
   講談社
   読了日:2023年1月31日

15)白い巨塔(第1巻)
   山崎豊子
   新潮社
   読了日:2023年2月3日

16)白い巨塔(第2巻)
   山崎豊子
   新潮社
   読了日:2023年2月6日

17)白い巨塔(第3巻)
   山崎豊子
   新潮社
   読了日:2023年2月7日

18)白い巨塔(第4巻)
   山崎豊子
   新潮社
   読了日:2023年2月9日

19)白い巨塔(第5巻)
   山崎豊子
   新潮社
   読了日:2023年2月10日

20)乳と卵
   川上未映子
   文藝春秋
   読了日:2023年2月12日

21)生きがいについて
   神谷美恵子
   みすず書房
   読了日:2023年2月15日

22)昨晩お会いしましょう
   田口ランディ
   幻冬舎
   読了日:2023年2月16日

   毎日新聞出版
   読了日:2023年2月17日

   文藝春秋
   読了日:2023年2月18日

25)職業としての小説家
   村上春樹
   スイッチパブリッシング
   読了日:2023年2月21日

26)村上春樹、河合隼雄に会いにいく
   河合隼雄、村上春樹
   岩波書店
   読了日:2023年2月22日

27)黒い雨
   井伏鱒二
   新潮社
   読了日:2023年2月24日

28)異邦人
   カミュ(窪田啓作訳)
   新潮社
   読了日:2023年2月27日

29)水中都市・デンドロカカリヤ
   安部公房
   新潮社
   読了日:2023年3月1日

   文藝春秋
   読了日:2023年3月2日

31)善の研究
   西田幾多郎
   講談社
   読了日:2023年3月10日

32)荒野 12歳 ぼくの小さな黒猫ちゃん
   桜庭一樹
   文藝春秋
   読了日:2023年3月13日

33)おらおらでひとりいぐも
   若竹千佐子
   河出書房新社
   読了日:2023年3月18日

34)かがみの孤城(上)
   辻村深月
   ポプラ社
   読了日:2023年3月22日

35)かがみの孤城(下)
   辻村深月
   ポプラ社
   読了日:2023年3月25日

36)名字の話
   柳田國男
   土曜社
   読了日:2023年4月2日

37)歴史とは何か
   E・H・カー(近藤和彦訳)
   岩波書店
   読了日:2023年4月2日

38)そして誰もいなくなった
   アガサ・クリスティー(青木久恵訳)
   早川書店
   読了日:2023年4月4日

39)旅のラゴス
   筒井康隆
   新潮社
   読了日:2023年4月7

40)行人
   夏目漱石
   新潮社
   読了日:2023年4月14日

41)アンビエント・ドライヴァー
   細野晴臣
   マーブルトロン
   読了日:2023年4月18日

42)オリエント急行の殺人
   アガサ・クリスティー(山本やよい訳)
   早川書店
   読了日:2023年4月21日

43)ハーモニー
   伊藤計劃
   早川書店
   読了日:2023年4月25日

   講談社
   読了日:2023年4月29日

45)定本 物語消費論
   大塚英志
   角川書店
   読了日:2023年5月3日

46)片手の郵便配達人
   グードルン・パウゼヴァング(高田ゆみ子訳)
   みすず書房
   読了日:2023年5月4日

47)向日葵の咲かない夏
   道尾秀介 
   新潮社
   読了日:2023年5月7日

48)日本沈没(上)
   小松左京
   角川書店
   読了日:2023年5月12日

49)日本沈没(下)
   小松左京
   角川書店
   読了日:2023年5月15日

   文藝春秋
   読了日:2023年5月24日

51)ソクラテスの弁明・クリトン
   プラトン(久保 勉訳)
   岩波書店
   読了日:2023年5月29日

52)殺人出産
   村田沙耶香
   講談社
   読了日:2023年5月31日

53)あくびはどうして伝染するのか 人間のおかしな行動を科学する
   ロバート・R・プロヴァイン(赤松眞紀訳)
   青土社
   読了日:2023年6月8日

54)杳子・妻隠
   古井由吉
   新潮社
   読了日:2023年6月11日

55)方法序説
   デカルト(谷川多佳子訳)
   岩波書店
   読了日:2023年6月13日

56)告白
   湊 かなえ
   双葉社
   読了日:2023年6月15日

57)死にたくなったら電話して
   李 龍徳
   河出書房新社
   読了日:2023年6月18日

   東野圭吾
   講談社
   読了日:2023年6月20日

   寺山修司
   角川書店
   読了日:2023年6月25日

   佐藤 究
   講談社
   読了日:2023年6月30日

61)悪い夏
   染井為人
   角川書店
   読了日:2023年7月5日

   小林秀雄
   中央公論新社
   読了日:2023年7月13日

   白水社
   読了日:2023年7月19日

64)紗央里ちゃんの家
   矢部 嵩
   角川書店
   読了日:2023年7月22日

65)1984
   ジョージ・オーウェル(田内志文訳)
   角川書店
   読了日:2023年7月29日

66)幸田 文 どうぶつ帖
   幸田 文
   平凡社
   読了日:2023年8月3日

   大岡昇平
   岩波書店
   読了日:2023年8月11日

   赤染晶子
   新潮社
   読了日:2023年8月12日

69)すべてがFになる
   森 博嗣
   講談社
   読了日:2023年8月18日

70)音楽
   三島由紀夫
   新潮社
   読了日:2023年8月22日

   アリストテレス(渡辺邦夫/立花幸司訳)
   光文社
   読了日:2023年8月26日

   アリストテレス(渡辺邦夫/立花幸司訳)
   光文社
   読了日:2023年9月1日

   G・K・チェスタトン(生地竹郎訳)
   筑摩書房
   読了日:2023年9月7日

   平野啓一郎
   新潮社
   読了日:2023年9月14日

75)春宵十話
   岡 潔
   角川書店
   読了日:2023年9月17日

76)首里の馬
   高山羽根子
   新潮社
   読了日:2023年9月20日

77)
   アンナ・カヴァン(山田和子訳)
   筑摩書房
   読了日:2023年9月27日

   小林英樹
   情報センター出版局
   読了日:2023年10月4日

   小林秀雄
   新潮社
   読了日:2023年10月10日

80)タモリ学
   戸部田 誠
   イースト・プレス
   読了日:2023年10月12日

81)ひとはなぜ戦争をするのか
   アルバート・アインシュタイン、ジグムント・フロイト(浅見昇吾訳)
   講談社
   読了日:2023年10月16日

82)法廷遊戯
   五十嵐律人
   講談社
   読了日:2023年10月20日

83)世界裁判放浪記
   原口侑子
   コトニ社
   読了日:2023年10月26日

84)色彩との対話
   柳 宗玄
   岩波書店
   読了日:2023年11月1日

   サイモン・シン(青木 薫訳)
   新潮社
   読了日:2023年11月17日

86)キッチン
   吉本ばなな
   新潮社
   読了日:2023年11月23日

   ダイヤモンド社
   読了日:2023年12月23日

88)言葉の展望台
   三木那由他
   講談社
   読了日:2023年12月25日

2024年は、本棚を買う!
先日、積ん読本の山が崩れて大変なことになりました。
いいかげん整理整頓したい。

2022年12月31日土曜日

2022年 読了本一覧

早いもので、2022年も大晦日となりました。
今年は、ちょい少なめではあるものの
区切りよく50冊を読みました。
来年も、たくさん読みたいなぁの一心です。

では、2022年の読了本は以下になります。

🔳菊と刀
    ルース・ベネディクト
    読了日:2022年1月9日

🔳象は鼻が長い
    三上 章 
    読了日:2022年1月13日

🔳アルケミスト 夢を旅した少年
    パウロ・コエーリョ
    読了日:2022年1月22日

🔳時間とはなんだろう 最新物理学で探る「時」の正体
    松浦 壮
    読了日:2022年1月26日

🔳コンビニ人間
    村田 沙耶香
    読了日:2022年1月31日

🔳鏡のなかの鏡 迷宮
    ミヒャエル・エンデ
    読了日:2022年2月9日

🔳悲鳴をあげる身体
    鷲田 清一
 読了日:2022年2月16日

🔳マクベス 
    ウィリアム・シェイクスピア
    読了日:2022年2月22日

🔳アポロってほんとうに月に行ったの?
    エムハーガ
    読了日:2022年2月23日

🔳シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱
    高殿 円
    読了日:2022年3月6日

🔳容疑者Xの献身
    東野 圭吾
    読了日:2022年3月14日

🔳幸福論
    アラン(エミール=オーギュスト・シャルティエ)
    読了日:2022年3月29日

🔳人間の証明
    森村 誠一 
    読了日:2022年4月6日

🔳芥川龍之介短篇集
    芥川 龍之介
    読了日:2022年4月22日

🔳アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    フィリップ・K・ディック
    読了日:2022年4月30日

🔳ジーノの家
    内田 洋子
    読了日:2022年5月4日

🔳ザリガニの鳴くところ
    ディーリア・オーエンズ
    読了日:2022年5月12日

🔳十角館の殺人
    綾辻 行人
    読了日:2022年5月19日

🔳春琴抄
    谷崎 潤一郎
    読了日:2022年5月22日

🔳野生の思考
    クロード・レヴィ=ストロース 
    読了日:2022年5月28日

🔳「顔」の進化 あなたの顔はどこからきたのか
    馬場 悠男
    読了日:2022年6月8日

🔳侍女の物語
    マーガレット・アトウッド
    読了日:2022年6月19日

🔳誓願
    マーガレット・アトウッド
    読了日:2022年7月3日

🔳山月記・李陵 他九篇
    中島 敦
    読了日:2022年7月14日

🔳友情
    武者小路 実篤
    読了日:2022年7月18日

🔳ゲルハルト・リヒター写真論/絵画論
    ゲルハルト・リヒター
    読了日:2022年7月25日

🔳草枕
    夏目 漱石
    読了日:2022年8月3日

🔳「草枕」変奏曲 夏目漱石とグレン・グールド
    横田 庄一郎
    読了日:2022年8月7日

🔳ケーキの切れない非行少年たち
    宮口 幸治
    読了日:2022年8月11日

🔳夜市
    恒川 光太郎
    読了日:2022年8月13日

🔳このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年
    ・D・サリンジャー 
    読了日:2022年8月16日

🔳ナイン・ストーリーズ
    J・D・サリンジャー 
    読了日:2022年8月20日

🔳構造と力 記号論を超えて
    浅田 彰
    読了日2022年8月28日

🔳火車
    宮部 みゆき
    読了日:2022年9月4日

🔳なつかしい時間
    長田 弘
 読了日:2022年9月13日

🔳新自由主義の廃墟で:真実の終わりと民主主義の未来
    ウェンディ・ブラウン
    読了日:2022年9月19日

🔳インプロ 自由自在な行動表現
    キース・ジョンストン
    読了日:2022年9月28日

🔳マダム・エドワルダ/目玉の話
    ジョルジュ・バタイユ
    読了日:2022年9月29日

🔳ルビンの壺が割れた
    宿野 かほる
    読了日:2022年10月12日

🔳虐殺器官
    伊藤 計劃
    読了日:2022年10月25日

🔳しき
    町屋 良平
    読了日:2022年10月28日

🔳一汁一菜でよいという提案
    土井 善晴
    読了日:2022年11月1日

🔳読書について
    アルトゥール・ショーペンハウアー
    読了日:2022年11月3日

🔳戦争と平和1
    レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ
    読了日:2022年11月10日

🔳戦争と平和2
    レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ 
    読了日:2022年11月18日

🔳戦争と平和3
    レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ 
    読了日:2022年11月25日

🔳戦争と平和4
    レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ 
    読了日:2022年12月9日

🔳戦争と平和5
    レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ 
    読了日:2022年12月16日

🔳戦争と平和6
    レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ 
    読了日:2022年12月25日

🔳大坊珈琲店
    大坊 勝次
    読了日:2022年12月28日


一冊一冊を読み終えたのが、つい昨日のようです。
では、また来年。

2022年11月3日木曜日

ご報告

まことに勝手ながら、「読了メモ」の本ブログへの投稿を
当面の間、お休みします。

それでも、節目の時や、気が向いた時には
何か書いて更新するかもしれません。


読書は懲りずに続けており、
定常的な読了記録は何らかの形で残しておきたいので
Instagramの方で、書影はアップしてまいります。

取り急ぎ、ご報告でした。


2022年10月12日水曜日

読了メモ「ルビンの壺が割れた」宿野かほる



読了。

みなさんは、「ルビンの壺」ってご存知ですか。
壺の外形を横からみると、
丁度、男女の顔が向かい合ってるようにみえる壺の絵です。

本書は、男女間での書簡形式でかかれています。
メディアは、フェイスブックのメッセンジャー。
今風ですな。

メッセージの始まりは、男性がフェイスブックで、
確実に知り合いであろうと思う女性を見つけて
彼女におそるおそるメッセージを送ることから始まります。

当然ながら、最初は一方通行なのですが、
そのうち、女性からも返事をするようになり
昔話に花が咲いて、なごやかな雰囲気なのですが。。。。

時々、相手を非難するようなワードが出始めて
だんだんと嫌な方向に話が進んでいきます。
言ってみれば、暴露試合。

ちまたでは「どんでん返し」と評されているようです。
確かに、最後の一行はびっくりしますけど、
自分の読後感としては、あんまりすっきりしないなぁ。
モヤモヤして途方に暮れますね、こういう話は。

一時期、話題にもなったようなので
読んだ方もおられるのではないでしょうか。
170頁ほどなので、すぐに読めちゃいますよ。

===================
ルビンの壺が割れた
宿野かほる
新潮社 2022年

2022年9月29日木曜日

読了メモ「夜市」恒川光太郎




読了。

ホラー小説。短編が2篇。
と言っても、ド派手なスプラッターなものではない。
言ってみれば、日本風の穏やかだがゾクっとする
どちらも「異世界」の不思議な話。

一つは、書名にもなっている「夜市」。
妖怪が集まる夜市に、人間が入っていく。
望むものは何でも手に入る。モノとは限らない。
頭が良くなったり、運動神経を良くしたりすることもできる。
言ってみれば、夢が買える場所だ。
ただ、お金では買えない。
物々交換なのだ。妖怪が交換相応と納得したものでないと
欲しいものに交換してもらえない。
夜市に迷い込んだ裕司は、とんでもないものと
欲しい力を交換してしまう。

もう一つは、「風の古道」
みなさんも、あれ?この小さい路地に入ったことないな。
と思ったところとかありませんか。
今まで、気がつかなかった路地や草むらの中を入っていくと
人通りのない知らない道に出てしまった。
迷い込んだ少年は、通りすがりの青年と一緒に歩き始める。
その道の本性がだんだんとわかってくる。
命の危険を感じることもあったし、
何か懐かしい風を肌に感じることもあった。
ただ、元の世界へ通じる出入り口は、
閉じられているところもあって、なかなか元の世界に戻れない。
でも、最後はちょっと切ない終わり方。
ホラーというわりには、安心したかな。

2篇で200ページほどの分量です。
ちょっとした隙間に異世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。

=======================
夜市
恒川光太郎
角川書店 2008年



2022年9月14日水曜日

読了メモ「構造と力 記号論を超えて」浅田 彰



読了。

読んでみたかった作家の一人。
理解できないだろうと敬遠していたきらいはあるが、
案の定、難解であった。

序の部分は、大学生へのエールから始まる。
このあたりは余裕のよっちゃんである。
教養課程の重要性を紐解きながらも
浅田節に引き込まれていく。

例えば、読書について。

 入門書を精読して手がたく出発しようなどという
 小心さは、あえて捨てたい。〜(中略)〜
 せっかく受験勉強というインスタント公害食品から解放されたのだ。
 知のジャングルをさまよって、毒でも薬でも
 どんどんつまみ食いしてみればいい。(P20〜)

と。

で、問題はここから先の本章からなのだが、
いきなり最初からつまずく。
一つ一つのパラグラフが短いのが幸いではあるものの
解らない言葉が否応なく出て来る。
人間の存在が有機的な自然界の秩序からのズレを生じさせており
このズレがいかに帰結するかを論じている。
と思う。確信は持てないが。

また、国家を論ずる章では、金(Gold)に替わって
貨幣が象徴中の象徴で、象徴的価値体型を吊り支える中心であると言う。
いわば地上に現れたブラックホールとして、
欲望の流れを一方的に吸引し続けるらしい。

だからなんだと言わんとすることを纏め上げる理解力を
自分は持てていないので、このあたりでやめておく。

ちょっと救いだったのは、数多の経済学者や
思想家の名前が噴出する本書の中で
ジョン・ケージやグレン・グールドという音楽家の
名前が登場してきたことに一抹の親近感を覚えたのは確か。

著者の本はもう一冊、積んであるので
本書も併せて再読をしたい。

====================
構造と力 記号論を超えて
浅田 彰
勁草書房 2021年


2022年9月4日日曜日

読了メモ「ザリガニの鳴くところ」ディーリア・オーエンズ




読了。

2021年の本屋大賞、翻訳小説部門1位の作品。
話題にもなったので、読まれた方も多いのではないでしょうか。
翻訳モノに苦手意識のある自分でしたが
本書は、ストーリーも情景も人物の心の動きも
すっと入ってきました。
読みやすかったですね。

読みやすかったことの反面、
内容は切なく、アメリカの格差社会を
浮き彫りにする物語でもありました。

場所は、それこそザリガニが鳴きだしそうな
深淵な湿地・沼地で水上生活をする少女。
きちんと、水上集落らしきものもあって
お店もあり、交通手段はもちろんボートです。

一方、対する街には、お決まりではありますが
彼女にちょっかいを出す輩がいれば
彼女を守ろうとする若者もいます。
また、役所は、彼女を「保護」し
里親に預けようとしますが、
ザリガニの鳴くような沼地の奥地にいれば安全です。
母親は彼女を捨てて沼地を去ってしまっているのです。

そこで一つの事件がおこり、彼女に容疑がかかります。
真偽の程は読んでみていただきたいのですけれど
入り組んだ水路や、鬱蒼とする水草や木々の中での水上生活者と、
クルーザーを乗り回し、彼女を見下す人々や警官の姿が
鮮明すぎるほどに対照的です。
法廷では、人種差別に関する記述もあり
アメリカ社会のそれこそ奥深い沼のような慣習が綴られています。

舞台となった湿地は実際のモデルがあり、
今では、開発でかなり縮小されてしまったようです。
ザリガニの鳴くところは、どこかにまだ残っているのでしょうか。

===================
ザリガニの鳴くところ
ディーリア・オーエンズ
友廣 純訳
早川書房 2021年