2017年8月16日水曜日

読了メモ 「ソラシド」 吉田篤弘



読了。

「ソラシド」とは、女性二人のバンドの名前だ。
ギター&ボーカルとダブルベースの二人。
時は1986年。当時にかかれたノートにさかのぼる。
ある喫茶店で演奏をしていたようなのだが、どんな演奏だったか思い出せない。
いろいろと探し歩いて行くうちに、たった一枚だけ
レコードが存在するということがわかってくる。
どうやら彼女たちは録音して残すことと生演奏に大いに拘りがあったようなのだ。
しかも、そのレコードはアセテート盤という試作盤らしい。
そこにいたるまでの道のりも大変なものだ。
なにせ彼女たちのことが載っているという記事を古紙処理場まで探しにいくのだから。

途中、二人の関係者にも巡り会うことになるが
ベースの子は双子なんだけど、ひょっとしたらなんて妄想も広がる。
実は主人公も同じダブルベースを持っていて、
その古さや傷具合から、巡り巡って同じ楽器を使っていたかもしれないと思い込む。
もちろん本当はそんなことはないんだけどね。

そんな探して探して探して行く旅というか、思いの綴りをたぐっていくお話です。

途中で、ビートルズのホワイトアルバムが何度かでてきて
聴きながら読んだりもしてしまいました。

そのアセテート盤も白い箱に入っているんです。

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ソラシド
吉田篤弘
新潮社 2015年

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