2017年12月10日日曜日

読了メモ 「「自由」のすきま」 鷲田清一



読了。

哲学エッセイ。
装丁のカバー写真は植田正治。

タイトルは「自由」のすきまだけれど、
勝手に解釈すると「自分」のすきま 
と言い換えられるかもしれない。

哲学の本となると、ひねくれや説教じみた話を
連想しがちになるが、はたして本書はそんなことはない。

自分のこと、子供のこと、本のこと、偉いということ
世間を揺るがした大事件やそれを報じるマスコミのこと、
そんなあれこれを、著者流の視点で眺めなおし
新しい気づきを教えてくれる。
ひとことで言えばとてもやさしい。

例えば、「自分らしさ」とはなにか。
自分らしさに気づくとはどういうことなのか。
気づいた後の自分って一体何なのか。
気づいてどうするのか。
堂々巡りかもしれないけれど、
一考の価値のあるテーマだと思います。

後半は、著者の日常生活の一端を語っているパートがあり、
そこに出てくる二匹の柴犬がいい。
それまでのいろいろ考えさせられてきたテーマが
やわらんでいくような安らぎを二匹が教えてくれます。

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「自由」のすきま
鷲田清一
角川学芸出版 2014年

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