2018年2月21日水曜日
読了メモ 「ジョバンニの耳 宮沢賢治の音楽世界」 西崎専一
読了。
様々な分野、領域に興味を示していた宮沢賢治ですが、
今回は彼の音楽についての話を読みました。
「ジョバンニ」は、もちろん「銀河鉄道の夜」に出てくる子どもです。
ちなみに決して猫ではありませんw
彼の乗る鉄道は、いわゆる軽便鉄道で
ごとごとごとごとと音を立てて走るわけですが、
物語を読んでいくうちに、それが音楽に変わり始めます。
なつかしい「星めぐりの歌」が聞こえてくるのです。
銀河鉄道は、此岸と彼岸を結ぶ鉄道です。
最初、ジョバンニは軽便鉄道に乗っていたのですが
カンパネルラをすぐ前の席で見つけます。
他にも乗客がいます。沈没事故で亡くなった姉弟です。
彼らには、ごとんごとんという音は聞こえません。
遠くのほうから新世界交響曲のようなものが聞こえてくるというのです。
それは、鉄道を降ろされたあと、満天の星空をあおぎながら
ジョバンニの耳にも残っているように思えてなりません。
後半は、セロ弾きのゴーシュの話に変わります。
自分は子どもの頃、この「セロ」がいったい何かわかりませんでした。
あっ、チェロのことだったのかと思ったのは随分とたってからでした。
猫、カッコウ、たぬきの子、ネズミの母子
楽長から怒られたゴーシュはこの動物たちから
課題を教えられ、それに対して自分の答えをだそうとしていきます。
これはベートーヴェンの田園が聞こえてくる物語ですが、
宮沢賢治はどこでこれらヨーロッパの音楽に接していたのでしょうか。
その鍵となるのは蓄音機で、なんと今でも実機が現存するらしいです。
もちろん音はでませんが。。。。
上の二つの他にもよだかの星や風の又三郎などにも
音楽の要素が散りばめられているといいます。
そうだったのかぁ、また宮沢賢治を読みたくなってきたなぁ。
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ジョバンニの耳 宮沢賢治の音楽世界
西崎専一
風媒社 2008年
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