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2018年7月18日水曜日

読了メモ「邪悪なものの鎮め方」内田 樹




読了。

タイトルはおどろおどろしいいけれども
中身はいたって優しくて、時には厳しい。
いつもの内田節が光ってます。

内田先生の本は何冊か読んでいます。
同じ著者の書くエッセイだったり対談だったりするので、
この話は前にも読んだかなというものがありますが、
そのつど、はっと我を振り返ることになります。
たんに学習能力がないのか、もの忘れがひどいのか。

それでも、今回、新鮮な感銘を受けたのは
 父権制への警告、
 物語を通じて勝手に作り上げてしまう模造記憶、
 心臓移植をすると人格は変化するのか、
 自分で自分にかけた呪いは誰にも解除することができない
などなど。
ワーディングだけみてると誤解しそうなところもあります。
ですが、読むときっちり肚に落ちます。

この種の話は人間の内側から問いかけることが多いなかで、
内田先生は、外側から攻めてくる。
だからということなのか、説得力があるし逃げ場がない。
いつも、う〜むと気づきと自己批判の淵に立たされる。


内田先生は武道もされるので、
以前読んだ、甲野善紀氏がでてきたり、
村上春樹も何度も登場する。例の雪かきの一般論としての話だ。


以前、古本市で、お客様から
「内田先生の本は難しくて、なかなか.....」と言われたことがあった。
「いえいえそんなことはありませんよ、是非是非」
と、強くお勧めしたことを思いだす。あのおばちゃん読んでくれたかな。

まだ積ん読には何冊かあるし、
読み返したりもして、
自分の身に少しでもしみているようにしたい。

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邪悪なものの鎮め方
内田  樹
バジリコ 2010年


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