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2020年2月18日火曜日

読了メモ 「イワンの馬鹿」 レフ・トルストイ


本記事は、2015年にキュレーションサイト「iftaf」に掲載したものに
加筆・修正を加えて当ブログに再掲載したものです。




読了。

「戦争と平和」のトルストイである。

一日で読み終えそうだなとお気楽に考えて
積ん読の中から手に取った。
案の定、すぐに読み終えたものの、
人間の持つ卑しい姿が垣間見えて
読み終えた時に、奥の深い教えのようなものが
じんわりと心にしみわたってきた。


児童向けの文学に心を洗われることが多い。
今回は民話調なので、少々趣きが違うものの
例にもれず、尊いことが描かれている。

権力、武力、財力、物欲....
人間は、いつもこれらに翻弄されている。
そんなことはないさ。と言い切れない。
そそのかす小悪魔や老悪魔もしっかりいるし。

「欲」は、あの手この手で惑わそうとしてくるが
イワンとその領民には効かない。
自分たちにとって必要な物が
必要な量あればそれで十分なのだ。
余計に欲しがることをしない。
そのためには額に汗して、
手にタコができるまで働く。
働かざるもの食うべからず。

でも、そこへ乞い求める人がくれば、
お互いに分かち合う精神をもっている。
人間として生活し、生きることの喜びを共にする。
決して排除をしない。


ところどころ、現代とそぐわない表現などはあるけれど
表面的なところに目を奪われず、
大切なところを心に留めておきたいお話。

あっ、そして、表紙や挿絵は、和田 誠さんです。

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イワンの馬鹿
レフ・トルストイ
あすなろ書房 2008年



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