2020年2月8日土曜日

読了メモ「対話 人間の建設」岡 潔・小林秀雄



読了。

日本の文系と理系の達人お二人による対談....、
いや失礼、対話である。

口絵に出てくる二人の写真の面構えからしても
小林氏が聞き役になっているかと感じる。
事実、大変うまく岡氏の考えを引き出していると思う。

人間の建設というタイトルからして
スタートは学校教育の話からとなっていて、
学問を楽しむように世の中はなっていないのだという。
それを京都の大文字焼きから紐解いていく。
う〜む、のっけから話の進み方が尋常ではない。


自分は「無明」という言葉を知らなかった。
「むみょう」と読む仏教の言葉だそうで、
数学者の岡氏は、この言葉を用いて、
小我をよしとせず、例えとして、ピカソの難しい絵は、
小我を理解させるためには有意義だといっています。
そして、対する大我こそ日本文化の重要な考え方だとしています。
ここで神風特攻隊の話が出てくるので
読み間違えると大変危ないのですが
落ち着いて正しく読み解くことが必要なところです。

世の数学者の先生の方々には、大変失礼ながら、
自分の先入観で、岡氏がここまで奥深く、
事物について達観したお考えをお持ちとは。。。。
自分の発想の閾値をはるかに超えた世界をみた感じでした。

数学はね、最終的には数字や公式で表されるのではないそうですよ。
それは言葉であり、感情で数学は表現することができる。
ということなのだそうです。
すごい世界観ですよね。


小林氏の本は何冊か読んだことがあり、
いつも難解で?がいっぱいでてくるのですが
今度は岡氏の本も読んでみたくなりました。
幸いにも、積ん読には、両氏の本もあることですし
気合を入れて、頃合いを見計って読むことにします。

もちろん、この本も再読しよう。

ちなみに、自分が読んだ本書は1965年発行で
50年以上前の古本ですが、
今でも文庫本で出版されていますので、
気になる方は是非手にとってみてください。

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対話 人間の建設
岡 潔・小林秀雄
新潮社 1965年




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