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2020年4月12日日曜日

読了メモ「ちいさなかみさま」 石井光太

本記事は、2015年に某キュレーションサイトに掲載したものに
加筆・修正を加えて再掲載したものです。




読了。

心の中のロウソクのような灯火。
希望、夢、勇気と名付けるこれらを
「ちいさな かみさま」と呼ぶ。

で始まるショートストーリー集。


病床に伏した少女が貧しい国々の子供達の純粋な笑顔に支えられる話、
事実とは異なるのに、過去は美化されていくものなので
よい記憶のままで留めさせてあげたいというニューハーフの話
戦友の死について、遺族の気持ちを思うあまりに嘘をつく話
公園で遊ぶ赤ちゃんのために友達の行動を戒める小学生たちの話
死の床にある患者は、家族のためにどうすればいいかを常に考えているという話
などなど。。。。

装丁にもある今日マチ子さんの
やわらかくてやさしいイラストも添えられていて
どの話も心に安らぎをおぼえ、穏やかな気持ちになれます。
 
いろいろなかみさまが出てくる本書を読んでいて
もしやと思ったのですが、全てノンフィクションなのです。
ノンフィクションって、いつも著者や出てくる人たちの実体験に驚き、
どうしたらこんな経験や感動を抱くことができるのだろう、
きっととてつもない行動派な人たちなんだろうなどど
時には羨望にも近い思いを持ってしまうこともあるのですが、
もしかしたら、冒頭にあったように
一つ一つの出来事は、灯火のように小さなことで
自分の身の回りにも実は起きていて
鈍感な自分は気がつかないだけなのかと思ってしまいました。

小さなことでも、地味なことでもそれをきっかけにして、
人を思うことの大切さ、暖かさということを
感じていくことができればいいなと思うばかりです。

そんなことを読後にしみじみと思った本なのでした。

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ちいさなかみさま
石井光太  今日マチ子 絵
小学館 2014年



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