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2020年5月16日土曜日

読了メモ「人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日」 トム・ミッチェル



読了。

表紙はマゼランペンギン。かわいい。
舞台は、アルゼンチン。
主人公であり著者のトムがこのペンギンと出会うのは
隣国のウルグアイの海岸。
そこから越境してアルゼンチンへ行く。

そうなんです、このお話ってノンフィクションなんです。
「かもめのジョナサン」のペンギン版かなと
小説をイメージしていたのですけれど、
事実は小説より奇なりを地で行くドキュメンタリーなのです。


トムは、ウルグアイの海岸で、
海に流出した重油を浴びて真っ黒になって
海岸に打ち上げられたペンギンの死骸の山の中から、
かろうじて息のあったペンギン一羽を助けます。

ペンギンが抵抗をしたのは最初だけ。
風呂場で油を洗い落とし、丁寧に顔を拭いてやり
市場で買ってきた新鮮な魚をあげると
トムにすっかり心を開きます。
疲れると、トムの足にもたれかかって
眠ったりする姿がとてもかわいい。

トムは学校教師の仕事の都合でアルゼンチンに
いかなければならないのですが、
そのためには飛行機にのり、税関を通らないといけません。
トムの奮闘ぶりをよそに、ペンギンは奇声をあげて見つかり
はてさてどうなることか。

アルゼンチンでは、学校の屋上に
トムはペンギンと住むことになり、
ペンギンも生徒たちと友達になり、
一緒にプールで泳ぐようにもなります。
ここにもちょっとしたドラマがあるんですけどね。

しかし、別れは突然としておとずれます。

ウルグアイの海岸でペンギンを助けたことが本当によかったのか、
一緒に連れてきてよかったのか
トムは頭の中でいろいろ考えますが、ペンギンとの思い出がいっぱい。


ある日、ブエノスアイレスの水族館で、
ペンギンの飼育部屋にトムは入れてもらいます。
ペンギンたちはざわめきますが、
その中で、一羽だけ種類の違うペンギンが
ヨチヨチとトムに近づいてきてトムを見上げます。
さも、お腹を掻いてくれない? といわんばかりの顔で。
トムは飼育係から教えられました。

ペンギンは仲間がいないと生きていけない動物なんだそうです。


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人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日
トム・ミッチェル 矢沢聖子 訳
ハーパーコリンズ・ジャパン 2017年



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