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2020年5月6日水曜日

読了メモ「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」村上春樹



読了。

Stay Homeという掛け声の下、
今年のGWは、がまんのウィークという呼びかけの下、
みなさまにおかれましては、どのような連休をお過ごしでしょうか。
自分は、ご多聞にもれずひっそりと蟄居しております。
結果、運動不足のため、足が浮腫んで毎日マッサージに余念がありません。

こんなどこにも出かけられない連休の時は、
長編でも読みましょうかねということで
本書を選びました。618ページ。

村上先生お得意の(?)並行する二つのお話があって、
また導入がいきなりな設定すぎて
それでいやんなっちゃう人もいるんだろうなと思いつつも
読み進めていくと、この世界観からは
なかなか抜け出せなくなります。

しっかりと、途中で伏線もあるし、
最後はこうなるんだろうなと思わせる節を
読み取っていくのも面白いかもしれません。
単に、自分が混乱しているだけかもしれませんが。

羊に比べると一角獣は端正で美しく、
清楚なイメージがあります。
そもそも、想像上の動物ですが、
雪の中を足を折り曲げて座り込んでいる姿は
どこか高貴で尊い印象を受けます。
その一角獣の頭骨が並んでいる様を
心落ち着いて読めるのがなぜか不思議です。

暗闇がやたらに多く、蛙、怪魚、押し寄せる水、
得体の知れない「やみくろ」、悪役の記号士二人組、
地下鉄銀座線に通じる下水道など
冒険心をくすぐる要素はふんだんで飽きさせません。
一方で展開される壁の中のお話では、
切り離された影との会話が好きです。

お話のキーとなるのは図書館なんだと思います。
二つのお話に共通する唯一の事象は図書館。
自分も図書館は大好きですけれど、
今は、どこも閉館。しばらく開きそうもありません。
やれやれ、寂しいな。

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世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド
村上春樹
新潮社 1986年




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