2020年10月29日木曜日

読了メモ「かないくん」 谷川俊太郎




読了。

何年か前に話題になった絵本です。
読んだことのある方も多いのではないでしょうか。


テーマは「死」なのですが
その死と向き合う、残される人々の心の動き。
死が近づいてきた時。
死を知らされた時。
そして、死後に残された人々の生活が始まる。

死は、終わりでもあるけれども始まりでもある。
と絵本の最後は結んでいます。

絵本の最初は小学校四年生の時の話。
かないくんの言葉は一つもありません。
あるのは、学校の先生からのかないくんの状況報告と
同じクラスの子どもたちの感じている様、思いの変化。
教室に残っているのは、かないくんの絵とか
かないくんと一緒に写っている写真とか。
それでも、すでに、かないくんのいない
同級生たちの学校生活が今まで通り始まっています。

後半は、金井君の死のことを
絵本にしようとしているおじいちゃんの話。
でも、おじいちゃんは次の桜をみることができない。
おじいちゃんは、死ぬことを
重々しくも、軽々しくも考えたくはないと言う。
絵本の終わらせ方がわからないと言う。


子どもたちにとって、死は遠いものであり終止符なのですが
時はとどまることなく進み続ける。
死を受け入れた生活が新しく始まる。
死は通過点なのでしょうか。


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かないくん
谷川俊太郎 作
松本大洋 絵
(株)東京糸井重里事務所 2014年








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