読了。
なんの影響か、なにが要因かわからないが、
ちょっとここのところ、幻想的な小説にあたり続けている。
今回も五章からなるSFファンタジー小説。
イラストも著者の長野まゆみさんが描いている。
不思議な小説だ。
宮沢賢治とファイナルファンタジーの世界を
掛け合わせたような世界観とでも表現したらいいだろうか。
銅貨、藍生、水蓮、烏貝、旗幟。。。
出てくる登場人物は、このような奇妙な名前ばかり。
そして、自動人形という謎の美少年。
全員、少年。
そして、自動人形という謎の美少年。
全員、少年。
女の子は一人も出てこない。
表現や描写も飛んでいる。
例えば、
表現や描写も飛んでいる。
例えば、
「アルミニウム青銅の美しい黄金いろをした機体」
「彼の指は白磁でできた人形の指そっくりで、どれも細く、
透徹るような乳白色をしていた」
ここでは「黄金」を「きん」、「白磁」を「びすく」と
ルビをふって読ませている。
同様に「母」は「バービィ」、「檸檬」は「シトロン」。
移動には、「自動車(ミシュリン)」よりも
「蝶凧(パピイ)」という乗り物を使うという。
とにかく、独特で創造的な冒険の世界にどっぷりと浸ることができるが
没入するには、自分は少々時間がかかった。
それに、どこかBL的な雰囲気が遠くの方でしないでもない。
幻想的な世界に入ってみたい方には
一度、ページをめくってみてはいかがだろうか。
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天体議会
長野まゆみ
河出書房新社 1991年
※本書は絶版のようです。