読了。
奥付には「奇想コレクション」とある。
SFファンタジー短編集、全部で13篇。
装丁の帯には、「ビブリア古書堂の事件手帖」にも登場とあった。
当該の書籍を読んでいないのでなんとも言えないが
映画では見たけれど、本作品が出てきたか記憶は定かではない。
タイトルにもなっている「たんぽぽ娘」は、
SF定番のタイムトラベルのお話。
山小屋に一人で休暇を過ごすことになった
マークが、一人の少女に出会う。
少女といっても21歳なのだが
とても綺麗で健やかで溌剌として
着ている洋服もこの世の生地とは思えない素敵な装いだった。
マークはすっかり彼女の虜になってしまうが、
彼女は、240年後の未来から来たという。
未来の人間が過去のものに触れることは
未来の事象の存在に影響を与えるので禁止されており
時間警察がパトロールしているという話がある一方で、
未来の人間が過去と関わることで、
既にその未来の人間は過去のものになるので
問題はないという議論が未来ではなされているらしい。
ちょっと話がこんがらがりそうになるけれど
落ち着いて読めばわかりますよ。
で、結末は、ドーンと愛の溢れる結末になります。
他にも、宇宙クジラと交流する話や
過去を保存してある部屋のある扉を開ける話、
スターウォーズを彷彿とさせる勇敢な女性を捕まえる宇宙戦争の話など
ファンタジックなSFの世界が広がります。
いずれも読みやすいお話なので
大人だけでなく、SF好きの中学生や高校生だったら
十分に楽しめる一冊だと思います。
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たんぽぽ娘
ロバート・F・ヤング 伊藤典夫編
河出書房新社 2013年
※下記は文庫本でのご案内になります。
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