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2021年5月17日月曜日

読了メモ「ドグラ・マグラ」夢野久作



読了。

日本の三大奇書のうちの一冊。
『わけのわからぬ小説。読むと精神に異常をきたす。』と
江戸川乱歩に言わしめた作品です。

いつかは読んでみたいと思っていましたが
いやはや、長かった。
上下二段書きで500ページになる大作です。

一応、探偵小説なるもののようですが、
自分の記憶では、探偵なんて出てきやしません。
文体やら、時間軸の前後関係やら入り乱れてしまって
読み込むほどに本書の四次元の世界に入り込んでいきます。

精神科病棟で隔離されている主人公の
生前からの家系の変異と殺人事件、
隣室にいる泣き叫ぶ絶世の美少女と言われる許嫁、
主治医の精神科教授、またその主治医と対抗する法医学博士、
登場人物はそれほど多くはないのですが、
とにかく、話が過去や現在に大きく揺れて
文調も、はぁ〜スチャラカチャカポコ♪と言う
お囃子調で描かれた博士論文が長く続いたり、
そうかと思えば、淡々と話が進んでいく様は
確かに、気を落ち着かせて読まないと
何が何だかという具合になってしまいます。

さすがに後半は、謎解きが始まり、
ここで、え〜っ!そうなの!!今までの話はなんだったんだ!!!
と驚きを抑えつつページを捲る始末です。

幸い精神がおかしくなることはありませんでしたが
非日常にトリップしたい貴方には、
是非ともトライしていただきたい一冊です。
不要不急な外出自粛のご時世にいかがでしょうか。

最後に裏表紙の注意書きを添えておきます。

『本書を一読後、この奇怪な作品世界に毒されて
 奇行に走られぬよう、読者は充分にご注意いただきたい。』


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ドグラ・マグラ
夢野久作
早川書房 2007年第四版

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