読了。
帯や紹介文にミステリーとあったが
そんな大袈裟なものではない。
舞台は、デパ地下の食品売り場にある和菓子屋「みつ屋」。
表紙の饅頭にも焼き印がある。
高校を卒業した梅本杏子、通称アンちゃんがこのお店でアルバイトを始める。
店長は、バックヤードで株取引をやってはいるが売り残しを出さない椿さん
あとは、和菓子職人経験があってイケメンだけど乙女チックな立花さん
アンちゃんと同年代の元ヤンで恋多き桜井さん
この4人でお店を回していく。
来店するお客さんとの会話やちょっとした出来事を
みつ屋の4人でひも解きながら解明していくというお話。
謎解きというよりも、和菓子の蘊蓄の展開が面白い。
季節ごとに名前の変わる牡丹餅・お萩はいうにおよばず
言い回しを洒落て名前に当てる和菓子の隠語がたくさんでてくる。
そんな独特の専門用語を使ったやりとりは初めて聞く話ばかり。
和菓子を作る際の餡や求肥、寒天などの材料のほか
作り上げる際の切り込みの入れ方や型をとる木型などの話も興味深い。
特に上生菓子の成り立ちは茶道やその作法とも関連性があり
店長の椿さんの知識の深さは計り知れない。
お客さんからは見えないバックヤードの動きや
他の洋菓子店や酒屋とのやりとりも目新しい。
食品売り場ならではの隠語もありました。
日本茶でも飲みながらいかがでしょうか。
デパ地下にも行ってみたくなりますよきっと。
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