2016年6月15日水曜日

読了メモ「走れメロス」「ヴィヨンの妻」太宰 治



読了。

特に6月だからというわけで読み始めたわけではありません。
本編を読み終えた後に、あとがきを読んでいて
あっ、そういえばそうだったかと思い出した程度です。

また、生田斗真のイメージにひかれたというわけでもなく、
他の出版社のでもよかったわけですが、
どちらかというと、この角川のは
文庫版のわりには文字が大きめだった気がしたからです。

 
「走れメロス」の方には、
「富士には、月見草がよく似合う」の「富嶽百景」が入っている。
最後に写真を撮ってあげる話があるけれど、
撮ってすぐ見ることができるデジカメがある今では、
あんなことはとてもできないよね。
好きな「畜犬談」も入ってました。確か、去年も読んだ。
しょうがないなぁってね思う。本当は大好きなくせにって。
どうしてこうも素直じゃないのでしょうね。
最後の「東京八景」では、出てくるオラガビイルをまずは飲んでみたいところ。
確かにしょうもないところはあるものの、自分をマイナスとまで言って
ずずずっと落とし込んでしまうのはどうかと思うけれど
それが逆に跳ね返るバネになればいいのでしょうね。


「ヴィヨンの妻」は比較的明るい話が多いようです。
「パンドラの匣」では、最初の匣の解説がいいですね。
匣の隅にある希望というけし粒ほどの光る石があるっていう。
また、献身とはどういうことかを説いていて、植物の伸びる蔓にたとえて
伸びる先に陽が当たるなんてとてもいいじゃありませんか。
「ヴィヨンの妻」でもいきいきと働く自分を発見しながら
人非人だっていいじゃないと、やはりこれ以上落ちないところまで落ちて
あと生きれば生きた分だけ儲けものっていう上向きな気持ちの矛先が見えるし、
絶筆の「グッド・バイ」だって、ふすま一枚隔てた先には
ガラッと変わる美しい世界があることが見えているし。


今度の日曜日、6月19日ですね。
行ってみようかな。
ちなみに、この2冊の中に「桜桃」はありません。
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走れメロス  ヴィヨンの妻
太宰 治
角川書店 

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