2016年11月19日土曜日
読了メモ「カリコリせんとや生まれけむ」会田 誠
読了。
実は文庫本でも持っていたのに、
あとから古本屋で単行本を見つけてしまって、
そっちも買ってしまったものの一つ。
以前、「青春と変態」を読んでいたので、
この本もなかばワクワクして読み始めたのですけどそうでもない。
むしろ、作品の生みの苦しみだとか、つけたタイトルの意味だとか、
美術を生業としようとしている学生や若い人たちに向かっての
メッセージなどが盛られている。
失礼ながら、真面目で含みのある話が多い。
浅田 彰の名前を使った作品タイトルの意味を解説したところは、
しっかりと考えられているんだなぁと感心しきり。
一歩間違えば屁理屈かもしれないけれど、
発表する作品につけるタイトルの重みというものを感じます。
美術から離れて子育ての話もある。
「学校は従うところなんだよね」と言い出す著者の子ども。
そんな対応に困る子どもは傍に除けるような考え方が、
市井の人々一般にごくごく普通にまかり通っていることについて
自分自身の子ども時代も振り返って述べています。
いわゆる他と違った子どもだった自分をそのまま放置してくれたおかげで、
今の自分があり、当時の学校や親に感謝していると。
現代美術家として生きている今だからそう言える話なのでしょう。
学校や園に、ちょっと尖った子どもがいたりすると
今の社会はどう反応するんでしょうか。
その子はどうなってしまうんだろうかなどと
余計なことを考えてしまいます。
中島みゆきの歌詞についての話では
ポジティブソングとして「はじめまして」が出てきたので、
CDをレンタルしてきて聴いてます。
たまたま、年明けに中島みゆきのライブの模様が
映画館で公開されるという情報も得たのでそっちも楽しみ。
オタクっぽくて、それこそ変態な話もあります。
ガンダムを無視した話とか、大場久美子の話とか。
でも、これらの話って、自分にも覚えがあるなぁなんて。。。
装丁のスクール水着の女の子は、本文中に挿絵としても出てきます。
あわせてお楽しみください。
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カリコリせんとや生まれけむ
会田 誠
幻冬社 2010年
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