2018年8月8日水曜日
読了メモ「野蛮な読書」平松洋子
読了。
本を一冊づつ紹介する形式ではなく
本の内容を引用しながら、エッセイを綴る形。
どちらかというと、以前読んだ食レポエッセイの形に近い。
実際、最初の章は温泉とハンバーガーから始まる。
思うのは、著者の読書量の厚みというのか
引用の引き出しをすごく多く持っていて、
ここでこの本のあそこをよくもひっぱり出してくるなぁと思うことがしきりである。
自分なんか、こうやって読み終えた後に
メモ程度に思いを書き残すのがやっとなのに。
前半は、出かけ先、旅行先で読んだ本。
本やその内容よりも、
いつもと異なる環境で読むことの楽しさ、
感覚の違い、空気の匂い、読後感の雰囲気が
とても清々しく書かれている。
中盤は、著者別の話。
沢村貞子、宇能鴻一郎、池部 良、獅子文六。
選ばれる著者やエピソードも
ちょっとなかなか出会えない人たちばかりだ。
沢村貞子の「私の台所」は読んだことがあるけれど
読書欲をそそられるラインナップだ。
最後は、「すがれる」という言葉をキーワードに。
ここに、こういうのがある、ああいうのがあったと、
引用があり、エッセイが綴られる。
すごい。
どうしてこのように思いつくのか。ひっかかるのか。
もちろんたくさんの本を読んでいるからなのだろうけれど。
野蛮な読書とはとてもいいがたい
読書エッセイなのです。
本好きな貴方にも是非オススメします。
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野蛮な読書
平松洋子
集英社 2012年
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