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2020年12月28日月曜日

読了メモ「それでも、読書をやめない理由」デヴィッド・L・ユーリン



読了。

今年、最後の読了メモになるかな。
自分もこれまで、たくさん本を読んできたけど
やっぱりやめられないなぁ。
そりゃ、あんなに積読してるしというのもあるけど。


本書は、読書について書かれた本で
著者の息子の学校からの宿題である
「グレート・ギャツビー」が話の発端ですけれど
翻訳書だけあって、引き合いに出されるのが
海外文学なので、例示されても
いまいちピンとこないのが玉に瑕かな。

でも、なかなかいいこと書いてありましたよ。


 『誰の本を読むかはたいして問題ではない。
  読書を発見への旅ととらえ、
  自分の内面世界の発掘ととらえることだ』
これは、乱読の自分には身を寄せたくなる言葉ですね。


 『ひとりひとりの受け止め方は、
  それぞれ違っていてよいということだ』
これは小林秀雄先生も同じ様なこと言ってたなぁ。


読者だけでなく、作者側にも意見をしていました。
 『注釈は風通しのよさが大事で、作品を覆うのではなく、
  作品に織り込んでいくものであり、
  感性を押しつけるのではなく融合させる行為である』
なるほど。

本を読み直す再読することについても
とても良いことが書いてあるんだけど
全文引用すると長くなっちゃうのでやめときますが
一行だけいただくと、
 『良かれ悪しかれ、現在と過去に向かいあうことになる』
自分がどれだけ変わったかを知ることになる
ということらしいです。


後半には、TwitterやFacebookなども出てきて
情報に向かいあう我々人間の姿勢についても
変化が起き始めていると説いていて、
テクノロジーが人間の脳の回路を配線し直している
とまで言っています。

一瞬のうちに情報が手に入る社会にいて
時間をかけて読書をするということがどういう意味か
最後はややスピリチュアルな終わり方だったけど
自分はこれからも読書をしていきたいと
再確認した本書なのでした。


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それでも、読書をやめない理由
デヴィッド・L・ユーリン 井上 里 訳
柏書房 2012年




2 件のコメント:

  1. これカバーデザインいいですね。

    『誰の本を読むかはたいして問題ではない。
      読書を発見への旅ととらえ、
      自分の内面世界の発掘ととらえることだ』

    『良かれ悪しかれ、現在と過去に向かいあうことになる』
    自分がどれだけ変わったかを知ることになる

    これらはズーンと染み入りますね。

    冊子をありがとうございました。
    全部を写さない画像と書かない文と、上手いなぁと思います。
    本のことを書くって難しい。

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    1. コメントありがとうございます。
      書影は案外全体を撮影していることが多いことに作業をしていて気づきました。
      年内に、例年通り「2020のまとめ」をアップする予定です。

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