読了。
開高さんのエッセイを編纂したもので
ナンバリングがあるから、2巻目以降もあると思うのだが
とんと目につかない。
本書は1976年発行のもので、昔の本によくある
行間が狭く字が小さめに出来上がっている。
それだけで、自分は閉口なのだが
これが意外と読みやすかった。
開高さんの文章が読みやすく、わかりやすいのだ。
前半は、ヴェトナム戦争に特派員として
前線の兵士たちと同じ様な現地での生活をして
とてつもないヤツを口に入れる話がでてきたり、
後半は、好きな釣りやお酒の話になって、
アマゾン河での怪魚や日本の渓流での話でもりあがる。
開高さんは専らキャッチアンドリリースだそうで、
さまざまな擬似餌(ルアー)と魚との相性の話が面白い。
お酒については、世界各地で作られるお酒には、
ほとんど毒蛇が浸かっていることを指摘し
なぜ青大将ではいけないのかと首を捻る。
ヴェトナムの話で可笑しかったのは、
女房が怖くないやつは前へ出ろと隊長が命令したら
100人中たった一人が前にでたという。
その言い訳が、
かねがねみんなの後について行ってはいけないと
女房に言われつけているもんですから
というオチ。
こういう話は社会主義国でも自由主義国でも同じだねと笑ってました。
そんな滑稽な話があっても
戦争の話を聞きたかったら歩兵に聞け という名句が
戦争の引き起こす惨さ、非尋常な世界を彷彿とさせる。
わが地元の茅ヶ崎には、開高健記念館といものがある。
開高さんは1979年に茅ヶ崎に越してきたそうだ。
開館日が金曜日・土曜日・日曜日と少ないが、
執筆していた机や、色とりどりのルアーや
ヴェトナム戦地での写真や貴重な原稿などが展示されている。
ご関心のある貴兄はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
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開口閉口 1
開高 健
毎日新聞社 1976年
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