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2021年2月21日日曜日

読了メモ「キャラ立ち民俗学」 みうらじゅん



読了。

サブカル好きにはお勧めの本です。
みうらじゅん氏といえば、
タモリ倶楽部に出演しているのを見たことがある程度で、
著作まで手を伸ばすとは考えてなかったけれど
まぁ、圧倒的なオタク感が満載でした。

まず、表紙を開いた口絵が
台湾でゴムヘビを物色するみうら氏と
実際のゴムヘビの写真の数々ですから。

全部で4つの章に分かれていて
 第一章 宗教と民俗学
 第二章 風習と観光産業
 第三章 ゴムヘビ文化
 第四章 地獄の民俗学

宗教と民俗学では、天狗の鼻から始まって
道端に立っている車止めやポール、
双体道祖神にみる子孫繁栄と愛の姿を見事に導き出しています。
また、なんと驚くべきことに、
青森県にはキリストの墓が
石川県にはモーゼの墓が
山口県には楊貴妃の墓があるというのです。
参拝するごとに「墓マイル」を貯めるという
斬新な企画まで提案しているのはさすがです。

観光産業では、ある鍾乳洞がピックアップされ
Aコース、Bコースのふたつがあって
Bコースでは胎内くぐりといって、
四つん這いになって水につかりながら観光するそうです。
そして、みうら氏の個人的恐怖体験をもとに
菊人形展の恐ろしさなどが紹介されています。
お察しの通り、犬神家の一族の
佐武君がオマージュになっているんですね。

口絵の写真にもあったゴムヘビは、
案外身近にあり、江ノ島で結構売っているそうです。
近いし、今度行った時に漁ってみたい。
本書には、見開きでゴムヘビの写真一覧、
カリフォルニアキングヘビ、八重山ハブなど
30匹がご丁寧に正式和名で載っています。

最後の地獄編では、訓示もあって、引用すると

 ずっと幸せなんてありえないのである。
 冷静に一度、”今、幸せに感じる” ことに疑問を持つべきだ。
  =<中略>=
 一番危険な時が、幸せだと思うように日頃から訓練しなければならない。

とか、
 
 プライドというと何だかカッコよく聞こえるかもしれないが、
 すなわち自分への執着であり、これが原因で争いごとが起こるのだ。
   =<中略>=
 きっと、あちらはこちらよりもっと苦しいと思う。
 だからこそ、その苦しみを最小限に食い止める訓練を今、しておくのだ。

など、これからの人生を生きていく上での
大切なヒントが隠されているように思うのは
私だけだろうか。

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キャラ立ち民俗学
みうらじゅん
角川書店 2013年



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