2021年2月10日水曜日

読了メモ「随想 二〇一一」日本経済新聞社編




読了。

そうです。あの震災から十年が経ちます。

本書は、2011年、日本経済新聞朝刊の
「日曜日の随想」というコーナーに綴られたエッセイ集です。
寄稿者は59人。一ヶ月あたり4〜5名かな。

作家、詩人、作曲家、指揮者、写真家、画家、
演出家、プロデューサーなどなど
職業はさまざまな人たちです。

月別に編纂されているので、
当然、2月までは震災の話は出てきません。
でもそれが、やけに不思議な静けさを感じます。


そして、3月からは、震災の話がでてきます。
自分も当時、帰宅難民になったことを思い出しました。
街中のTV画面に映る信じられない津波の映像。
原子力発電所事故を報じるニュース。
海外からの支援の声。
当時のさまざまなことが読んでいて蘇ってきます。

月日が進むにつれて、
エッセイの論調も少しづつ変わっていきます。
震災が人々の心にどんな影響を与えたのか、
これからの時代をどう生きていくか、
仕事をする上でお客様とはどのような気持ちで接していかねばならないか。
被災地の過酷な状況は続いていますが
日本全国の人々、一人一人の心底に大きな影が落ち、
これからの歩みをどう進めていくか真剣に考えている様が書かれています。

そこには、広く視野をもち、
胸をはって生きていくこと、
自分のできることを精一杯やっていくこと、
などが共通して書かれているように思えてなりませんでした。

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随想 二〇一一
日本経済新聞社編
日本経済新聞出版社 2012年



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