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2021年6月4日金曜日

読了メモ「知的な距離感 プライベートエリア・・・・・魔法の効果」前田知洋



読了。

著者は、クロースアップマジシャンの前田知洋さん。
自分はテレビを殆ど観ないせいもあってか
最近、お姿を拝見していませんが、
きっと、観客の間近で見せるマジックを
世界中で披露していらっしゃるでしょう。

本書は、その前田さんがマジックを披露する際、
目と鼻の先にいる観客との距離感について
を基に書かれたものですが、
表紙カバーの裏にも書いてあったのですけれど、

 あと十センチ近づいてみる
       五センチ離れてみる
 それだけで何かが変わるかもしれない

これ、とてもわかる気がします。

タイトルにもあるとおり、
人にはプライベートエリアというものがあり、
そのエリア内に他者が入ってくるか、
逆に、わずかなセンチ単位の距離なのに
なぜそんなに離れているのかと、
その距離によって微妙な心理戦が交わされます。

わざと距離を保ち、知らないふりをする美学というのもあるようです。
これは物理的な距離にとどまらず、会話にも当てはまり、
あえて離れたり、言わないことで冷たく感じるのではなく、
共感し合えることもあるということ。

マジシャンの心構えとして、
目の前の観客との間には、「見えないガラス」があると心に置き
マジックを表現するのがよいという話がありました。
見えないガラスに押し付けるようにして、
カードやコップを見せたりするわけです。
他人とどのように向き合うのかについて
この「見えないガラス」のような存在が
必要なのではないかということです。

逆に、人と険悪なムードになった時に
相手と気まずくなる前に、ほんのわずかだけ距離を修正する
だけで、心が落ち着くこともあるようです。

日常の社会生活における他者との距離感のあり方について
一考させてもらえる面白い本でした。

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知的な距離感 プライベートエリア・・・・・魔法の効果
前田知洋
かんき出版 2007年

※本書は絶版のようです。

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