読了。
珍しくこんな分野の本を読んでみた。
早々と2021年新書大賞1位を獲っている。
地球温暖化やオゾン層の破壊、環境問題などが言われて久しい。
そして格差社会、ここにきて世界規模の感染症の広まり。
人々が不安になるのもいたしかたない。
これらの地球規模的な危機に対して、
珍しくこんな分野の本を読んでみた。
早々と2021年新書大賞1位を獲っている。
地球温暖化やオゾン層の破壊、環境問題などが言われて久しい。
そして格差社会、ここにきて世界規模の感染症の広まり。
人々が不安になるのもいたしかたない。
これらの地球規模的な危機に対して、
著者はマルクスの資本論を発展的に考察し、
人類が考えるべき経済思想を考察している。
ポイントは、結局、地球は一つしかないということ。
かつての南北問題をグローバルサウスという
ボーダーレスの言葉に置き換えて
外部不経済や環境負荷の転嫁はもはや限界だと。
二酸化炭素の排出についても
当事者である全人類が、
著者の言う帝国主義的生活様式を
根本的に変えていかなければ、
気候変動に立ち向かうことなどできないという。
では、どうするのか。
無限の経済成長を目指す資本主義から脱却するしかない。
供給過剰を是正するというのだ。
経済成長の限界を、民主主義の力で
自ら定めていかなければならないという。
「欲」があり「賢い」人類にとっては難しい命題だ。
人新世は、著者が作った造語である。
地質学的に現在は、新生代第四紀完新世にあたる。
著者は現代を人新世と定義し
地球規模で人類が採るべき道を示唆している。
著者がタイトルの地質年代の造語を付したのは
相当の時間がかかることを意味しているからなのだと思う。
はじめの一歩を踏み出さないと
コンフリクトとの対峙も、
目指すアクションも何も始まらないということか。
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人新世の「資本論」
斎藤幸平
集英社 2021年
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