2019年9月4日水曜日

読了メモ「新編 子どもの図書館」 石井桃子




読了。

ちょっと、今までにない分野を読んでみた。

児童文学っていいよね〜とはずっと言ってきたけれど
その児童向けに自ら「かつら文庫」なる私設図書館を作って
子どもたちに少しでも、読書に馴染んでもらいたい、
本をたくさん読んでもらいたい、
という思いがたくさん詰まった一冊です。

時代は1960年代前半。
日本が高度成長期に入っていく頃の時代背景で
日本での児童向け図書館に対する考え方はお粗末なものでした。

著者の石井さんは、文庫を開設するにあたって渡米して
海外における児童図書館の施策レベルの高さ、
職員や周囲の大人の意識の高さに驚愕します。

日本に帰ってくると、たくさんの子どもたちが
文庫にやってくるのですが、その親たちは
文庫を学校か教育機関の延長線のものとしかみておらず、
「どういう読書の指導をしているのですか」とか
「読み方はどのように教えているのでしょうか」
などのような質問をしてくる親御さんがあったとか。


文庫を支援してくれるお姉さんたちのお話や
兄弟の世話をしながら、本を読みに来る子ども、
親の転勤事情で止むを得ず文庫を離れていく子どもなど
当時の文庫運営の楽しさと難しさが
やさしい石井さんの文章で書かれています。

石井さんはすでに亡くなられています。なんと享年101歳!
生前に文庫開設40周年同窓会なるものが開かれて
当時の世話役のお姉さんや、本を読みふけっていた
子どもたちが集まる機会があったそうです。

今でこそ、公共図書館と呼ばれるところには
児童図書コーナーや児童図書室は併設されていますが
石井さんの子ども図書館に対する思いは
この先の時代にも受け継がれていってほしいと思いました。

みなさんも、あの絵本やあの本とか
子どもの頃に読んだ思い出深い本がいっぱいありますよね。


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石井桃子コレクションⅢ  新編 子どもの図書館
石井桃子
岩波書店 2015年



2019年8月20日火曜日

読了メモ「押絵と旅する男」江戸川乱歩



読了。

いやはや、2ヶ月少々ぶりの更新でしょうかw

しかも、超短編です。
2年ほど前に、江戸川乱歩の本を紹介した時
読みたかったと言っていた物語に
やっとこさたどりつきました。
そんな苦労もなかったのですけどね。

「屋根裏の散歩者(既読)」というタイトルの
文庫の短編集に入っていました。
ずっと寝かせていたのですが、
とあるきっかけがあって、俄然読み始めることに。
何回読んだろう。。。


相変わらず、不思議な世界観。
今回のお話は強いて言えば御伽話っぽい。
舞台が浅草の観音堂の裏だったりして
通称「ダメ人間」が集う向こう側に
江戸川乱歩の世界があったんだなんて思うと
それもなんだかくすぐられます。

お話は、押絵が生まれた秘話です。
お宅に古い双眼鏡とかってありますか?
逆さに覗いちゃだめですよ。
二度と元の世界に戻れませんから。


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押絵と旅する男〜「屋根裏の散歩者」より
江戸川乱歩
春陽堂 1993年









2019年6月10日月曜日

読了メモ「ネコとクラリネットふき」 岡田 淳



読了。

久々の読了メモです。

ちょいと今年は、訳あって読書量を落としているのですが
ちびちびとは読んでおります。

で、今回は初めての絵本であります。
れっきとした絵本。
地の文も漢字なしの完全子ども向け。

というのも、目黒にある絵本屋さんで
読み聞かせのイベントがあると知り、
BGMにはウクレレが鳴るということもあって、
ちょっと参戦してきたのであります。
もちろん読み聞かせの方でね。

お話は、クラリネットを吹くのが好きな男性が
家の前にいたネコにクラリネットを聞かせることで
始まる不思議でユーモラスなお話。

会場の本屋さんには、子どものほかに
大人の方もいらしていて、みんな笑って聞いてくれました。

日頃の腹式呼吸の練習の成果を使って
地声で読み上げました。
なかなか楽しかったす。
で、ここでも「いい声で読み方もうまいですね」
とお褒めのお言葉を頂いてしまったので
はたまた勘違いの袋が大きく膨らんだのでした。

また、機会があったらやってみようかな。
でも絵本って持ってないんだよね〜。


自分が子どもの頃に読んだ思い出深い絵本で、
木の周りをトラが走り回っているうちにバターになるという
お話の本は、今でも流通しているそうです。
どこかで巡り会えたらいいな。

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ネコとクラリネットふき
岡田 淳
クレヨンハウス 2013年





2019年5月14日火曜日

ブックカーニバルに今年も出店します!



毎度、直前の告知で申し訳ありませんです。

今年も鎌倉で開催されるブックカーニバル2019に
謎の読了古本屋「バリエン」で出店いたします。

ご用とお急ぎでない方はもちろん、
鎌倉って混んでるしなぁとおっしゃる方も
紫陽花でもっと混む前に本探しに遊びに来てくださいまし。

ブックカーニバル in カマクラ 2019
日時:令和元年五月十八日(土)
   午前10時〜夕方(古本市は午後4時迄)
場所: 第一会場:由比ヶ浜公会堂(←自分はココに出店しまつ)
    第二会場:ガーデンスペースくるくる
    第三会場:鎌倉カルチャースペース


よろしくお願いいたします。




2019年3月23日土曜日

読了メモ 「図書館奇譚」 村上春樹 




読了。

またもや羊男の登場である。
この羊男はまともではないかと思う。
美味しそうなドーナツを作ってくれるし。
全体としてはホラーなのか、奇々怪界なお話です。

古い図書館の雰囲気は味わってみたいけれども
ちょっと怖いなぁ。迷路が苦手だわ。
実際にスプラッターなシーンはないけれども
ひたひたと忍び寄ってくる怖さと
不可思議な異次元空間のような展開は
なんともいえず、引き込まれます。

「奇譚」とは不思議な話ということのようだけど
怖い夢とでも言った方がいいかもしれない。
脳みそチュウチュウは、
映画の「スターシップ・トゥルーパーズ」を連想したけど、
そこまでグロではありません。
単なる脅し文句なんでしょう。

短編で読みやすいし、
著者の長編にお疲れの方にはお勧めです。
特に、本書は挿絵が迫力があっていい。
心の底の闇を挿絵と一緒に味わってください。


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図書館奇譚
村上春樹
新潮社 2014年

2019年3月10日日曜日

読了メモ「小鳥がうたう、私もうたう。静かな空に響くから」 カヒミ カリィ



読了。

彼女がミュージシャン、歌手であることを知らなかった。
有名なTVアニメの主題歌も歌っていました。
ハスキーな声が逆に自然な感じがしてとても素敵です。


本書を手に取ったのは、
装丁の雰囲気がとても柔らかなナチュラルな感じで
荒んだ心を癒してくれそうな感じがしたから。

穏やかな心があって
そばに寄り添う人がいるってことはとても
大切なことなんだと、尊いことなんだと
なんだか柄にもないことを書いてしまうのです。

ちなみに、彼女の居場所は台所だそうです。
勉強は自ら学びたいことを選んで学ぶ時が面白い。
学歴や試験のためは、それはそれなりの意味はあるが
効率的には前者の方がはるかにいい。
そうやって、栄養バランスのある献立を考えるのは
とても楽しい勉強のようです。

本書の後半には、私の憧れの人というタイトルで
数人の方が紹介されています。
その中で、自身の母親を早くに亡くし
そのショックで電車に投身自殺を図った女性が出てきます。
後遺症はひどく、四肢も不自由です。
それでも、笑顔を絶やさず、逆に著者を励ましてくれている。
他にも、レイチェル・カーソンさんや桐島洋子さんなどが紹介されています。



では、冒頭にも書きました人気TVアニメの主題歌をどうぞ。
ポンポコリンじゃないんだよ。



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小鳥がうたう、私もうたう。静かな空に響くから
カヒミ  カリィ
主婦と生活社 2012年



2019年3月3日日曜日

読了メモ「言の葉の庭」 新海 誠



読了。

数年前に、DVDだけど
アニメーション映画で観たことがある。
静かな雨が降っている中にたたずむ
とある公園内の東屋の下で
会話をしている少年と女性の映像が印象的だった。

ストーリーは、とうに忘れてしまっていたので
今回、本書に巡り合って、その全貌が明らかになったよ。


もちろん、ラブストーリーです。
登場人物全てにいろいろな相方がいて
その誰もが個性的で、お互いの関係を大切にしている。
ふられてひりぼっちになってしまう人もいるけれど。

そんな時や、二人の気持ちを象徴的に表現する手段として
各章の末尾のページに、万葉集の一句が添えられている。
古典が苦手な私のような読者のために
簡単な訳と解説もついているので安心。


主人公の少年と女性は年齢がちょっと離れていて
最後はどうなるんだろうと、
お決まりのやきもきさせるところもあります。


少年は、海外に何年か留学して
とある技術をしっかり身につけて帰ってきます。
その技術の実ったものを彼女に届けたくて
雨降りの東屋に行くのですが
果たして、会う約束もしていなかったのに
彼女はそこにいたりするわけで、
ちょっと出来すぎじゃないかという感じはすれど
まぁ、そこは一人ではにかんじゃってください。


アニメーション映画のストーリーを忘れてしまっていたので
本書を読む方をお勧めするけれど、あの雨雫がしたたる
東屋の雰囲気、時折みせる小雨の木漏れ日の具合なんかは
映像をみると二人の雰囲気をぐっと身近に感じます。
それははっきり覚えています。

ということで、結局、両方とも観て読んではいかがでょうか。


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言の葉の庭
新海 誠
KADOKAWA   2014年