2017年4月28日金曜日

読了メモ「乱歩 夜の夢こそまこと」石塚公昭



読了。

江戸川乱歩の誌上Trailer的な一冊。

 怪人二十面相
 黒蜥蜴
 D坂の殺人事件
 屋根裏の散歩者
 人間椅子
 押絵と旅する男
 目羅博士の不思議な犯罪
 盲獣
 白昼夢

これらの作品の一片が、おどろおどろしくも、
ちょっぴり覗いてみたくなるような面妖な写真とともに紹介。
どきどきする江戸川乱歩の世界を夢想する時間は楽しい。

ただ、これだけでは自分としてはちょいと物足りないので
雑誌「太陽」の1994年6月号No.396の江戸川乱歩特集を併せて読んだ。
荒俣 宏、種村季弘、久世光彦のほか、俳優の佐野史郎が
窃視症、コスチューム・プレイ、洋館、フェティシズムなどのテーマで
乱歩のことをいろいろな角度から解説している。
こちらもまた写真やイラスト、地図などの資料がふんだんでたまらない。

面白いのは二冊とも表紙の江戸川乱歩が拳銃を持っていること。
これは何かいわくがあるのだろうか。
丸いハゲ頭でメガネをかけた江戸川乱歩の飄々とした顔と
エログロなイメージとのマッチングが
なんとも言えない異次元的な空気を漂わせている。

紹介されている作品を全部が全部読めているわけではないが
押絵と旅する男 はぜひとも読みたくなった。探しておきたい。

子供の頃に夢中になって読んだ少年探偵団シリーズとは違う
大人の江戸川乱歩が楽しみなこの頃です。

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乱歩 夜の夢こそまこと
石塚公昭
パロル舎 2005年

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