2017年4月14日金曜日
読了メモ「カモメに飛ぶことを教えた猫」 ルイス・セプルベダ
読了。
似たような設定のお話があったような気がする。思い違いだろうか。
天地がひっくり返っても自分にはできないことを
その潜在能力を持っている相手に
そのやり方を教え諭し目覚めさせ、立派にやり遂げさせる。
最後には、降っていた雨がやんで陽の光が射し込むようなエンディングと
教訓めいたワーディング。
ネズミは狡猾でしたたかな悪者で、
猿は自分中心の適当な奴で、欲望丸出しの猫もなかにはいるが、
主人公やその仲間の猫たちとカモメという
異種族間での愛や友情が世界を変えて行くというメッセージ。
また、願いを叶えることができるのは、
本当に達成したいという心を持つこととそれに全力で挑戦した時だけだ
という至極真っ当でストレートな一文も最後に出て来る。
ただ、猫好きな方の妄想をぶちこわすようだが、
「飛ぶ」ことを教えたのは、正確には猫だけではないと思う。
カモメの世話を猫がしなければならなくなった背景や
飛ぶことについて猫たちが調査研究したり、
実際にカモメが飛行に成功するくだりには
猫以外の、ある存在が大きく絡んでいる。
特に前段の「背景」のインパクトは重く、
自分としてはずっと引きずってしまっていた。
せっかくの崇高なメッセージが薄れてしまうくらいなのだ。
あとで知ったことだが、著者は某環境保護団体に参加していたらしい。
とすれば、なるほどそういうことなのかと腑に落ちるところではある。
では、猫はカモメが飛ぶために何をしたのかって?
カモメの背中を押したのですよ。あの肉球で。
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カモメに飛ぶことを教えた猫
ルイス・セプルベダ
河野万里子 訳
白水社 1998年
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