読了。
う〜ん、罪作りな装丁だよなぁ。
こんなん見ちゃうと、誰だって猥雑な話があるんだろうと
もやもやと妄想しちゃうよね。
でね、中身は全然違います。
どちらかというと、医学部フェチ、医療オタクな世界に入り込めます。
あらためて気がついたけど、お医者様の世界では
病気とは言わないのね。「疾患」というのですね。
解剖実習では、尊い献体には手を合わせ、
場を変えて病理学の部屋では、標本を机の上において
ジャンクフードを食べるという日々。
タッパーの中にはホルマリンに浮かぶ人間の脳とかもあるわけで
そのタッパーにはレンジでチンOKのシールが貼ってあったりする。
こんなエグいけれども、とてもディープな世界を
覗き見ることができます。
そんな中でも、比較的親近感を覚えた話題は聴診器のこと。
やっぱり、ハイエンドグレード、つまりお値段の高い方が
心雑音の聞こえ方が全然違うんですって。
著者は循環器内科実習の際に1万5千円の聴診器を買ったそうですが、
教授のそれはゴールドに輝く7万円!
ものの見事に聞こえたそうです。
やっぱり、道具はいいもの誂えないとね。どこの世界も一緒です。
研修医時代のひもじさが伝わる話もあります。
著者は眼科に入るわけですが、コンタクトレンズの検診バイトの方が
時給の割がいいっていう話とかは切実です。
眼科にくる患者は目が悪いから平気なんだと
ミニスカで登院する女医とかもいるそうですが、
もちろん、素晴らしい尊敬すべき先生のお話も載ってますよ。
あとがきにある通り、病院や医師に親しみを覚える一冊ですし、
医療の専門用語って、なかなか捨てがたいと思いました。
字面と音読した時の響きがよいですね。
そんな私と同じオタクな心を持つ貴方もお気軽に読める一冊かと。
医療の専門用語って、なかなか捨てがたいと思いました。
字面と音読した時の響きがよいですね。
そんな私と同じオタクな心を持つ貴方もお気軽に読める一冊かと。
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女医裏物語 禁断の大学病院、白衣の日常
神 薫
文藝春秋 2012年
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